新生釜石教会、譜面台。

​秋ですね。紅葉も山では少しずつ始まっている様です。

さて先週、新生釜石教会へ伺い、納入後の確認とメンテナンスをしました。二日目は調整、調律、整音と、音やタッチに関わる事をしました。
さて大分前の話…。修復終了の3週間前、譜面台を透かし彫りにしよう!とアイデアを思いつき、ピアノ技術者仲アトリエピアノピアさんに相談したところ、快く引き受けてくれました。(今回は復興支援ということで特別に引き受けてくれました)

まずは、響板に貼った教会のステンドグラスをモチーフにデザインを考えることにしました。(写真は響板に貼った時の画像)

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ステンドグラスの文字デザインをしていただいた翻訳家の槇山さんに連絡。譜面台のデザインをいろいろ一緒に考えましたが、譜面台にするには黒い部分が多くなってしまい、重い雰囲気になってしまったり、透かし部分が多いと譜面台としての強度が保たれない…。

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デザインに悪戦苦闘。槇山さんが途中まで考えてくれた、音楽と鳩をベースに、思い切って工房全員でデザインを考えなおすことにしました。音楽、鳩、花…。みんなの中で決まったモチーフ。それを上手く生かすデザインがなかなか決まらず。

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そんな中、具体性のあるデザインを考えたのが、気仙沼出身の斉藤さん。海沿い出身ならではのアイデアがありました。そこから試行錯誤とダメ出しの連続。

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花はハマユリ。(この時工房他3人はハマユリの存在を初めて知りました)ハマユリは釜石市のシンボルの花でもあります。そしてホタテ、イカリ。海ならではです。そして五線譜の音は釜石教会の牧師さんが作詩したこのピアノの為の曲『おかえりなさい』の最後の歌詞、歌が生まれる~♪の音符を盛り込みました。(下は最終イメージ図)

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デザインを煮詰めて、アトリエピアノピアさんに加工できるか…。大阪と埼玉で電話やメールで何回か相談にのってもらいました。最終的に細かい部分など丁寧に修正していただき、形にしてもらいました。

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ピアノと同時に譜面台も納めたいと思っていましたが、長く使われる事を第一に、じっくりアイデアを練って良かったと思ってます。強度もデザインもクリアでき、世界で1つしかない譜面台となりました。
7月のテレビ放映前、現地の調律師の高橋陽子さんに取り付けてもらい、ようやく形になりました。

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思い返せばたくさんの方々の協力があって、このピアノの修理が出来たのだと、心から感謝の気持ちでいっぱいです。長く釜石の皆さんに使って頂けたらと思い、始めた譜面台プロジェクト。形になって良かったです。

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