HORUGEL 響板接着から、側板接着、アクション位置決め、ダンパー接着まで

この3ヵ月で進めた本体の作業、ざっと一気に書いてみた。写真をかなり撮り忘れた事に気が付いたけど、もう遅い。
前回のブログはこちら。
響板裏面塗装

響板接着

響板接着

響板上面塗り

響板上面塗装

鉄骨仮乗せと位置決め、駒圧確認と駒高さ決め  クラウンもしっかりあって難なくできて良かった。

鉄骨仮乗せ、駒高さ決め

駒黒鉛塗り、弦位置確認、穴あけ、駒削ぎ

駒削ぎ

鉄骨取り付け、各穴あけ

鉄骨取り付け、各穴あけ

張弦、ピッチ上げ、シーズニング  問題なくピッチが上がり、ホッとした。

張弦、ピッチ上げ

建付け確認  縮んでたり、曲がってたりして、鍵盤蓋が閉まらなかった。

建付け確認

低音側の厚さ調整  低音の支柱が湾曲していたので、写真のように板を貼り、カンナで平らを出しつつ、諸々調整した。

側平ら出しの準備

側板を接着し腕木を接着ねじ止め。脚の長さを調整した後、ゆがんだ棚板を調整して取り付けて、脚を取り付け妻土台を接着。これらは全て何度も慎重に確認してから接着取付していった。失敗したら大変なことになるので。

その後、キャスターを取り付け、ピアノが垂直に安定して立った時、ピッチを上げた時くらいにホッとした。

筬と棚合わせ位置決め取り付け、アクション位置決めボルト取り付け、ダンパー調整と低音ダンパー接着

アクション、鍵盤筬設置後

作業中疲れた時、思わず指で弦を弾いてしまう。まだ終わってないけど、ゴールは見えている。焦らず進めていこう。

孝則

ベヒシュタイン アクション修理

先輩が持ってきたアクション。恐らく100年以上前のBechsteinのアップライト。アクションブラケットが鋳物ではなく、木材なので間違いない。機種は聞き忘れてしまった。
ハンマーがガタついて、最悪隣のハンマーと当たって音が出なくなるから、ガタつきを取ってほしいとのこと。妻が子育ての合間に作業した。
見た目は綺麗だった。恐らく日本で修理され、新しいアーベルのハンマーが付いていて、他の革やフェルトも交換されている。我々が「よくやる作業」はされていた。でも世界でたくさん作られた時代のピアノだったら、「よくやる作業」で十分だが、これだけ古いピアノはしっかり向き合って、基本的な部分から確認していかないとならない。ハンマーAssyを全て外して見ていくことにした。

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下の写真のように少々木が崩れてるのもあるが、今のタイプとサイズ違うので、新しいものと変えるには特注しないとならない。ベヒUP フレンジ

時間とコストを踏まえ、項目を上げて表化し、一つ一つ記入しながら作業した。1648691873818

100年以上たったピアノ。何人もの技術者がいじってきたのだろう。その場しのぎの修理をいろんな方法でされていた。
作業終了後、今後も先輩や他の技術者(自分も含めて)が面倒をみやすいように、内容を分かりやすくまとめた。将来必要となりそうな特殊な部品は、封筒に入れてピアノの内部に入れてもらうことにした。
因みにこの表は、アクションのたった1つの関節を検証した表にすぎない。今頭に思い浮かぶだけでも、他にも関節が4か所、接点が7か所はある。

あくまでも今回の仕事は、依頼者の目的を達成する事。仕上がりに満足してくださったようで良かった。

孝則

KAWAI BL12 出庫 

工房では、KAWAI BL12の修理、整調が終わりました。

このピアノのお客様が、ピアノの仕上がりの確認に工房にいらっしゃいました。
傷が少なく、外装全体の汚れが目立っていた状態だったので、見違えるように綺麗になったピアノを見て、とても喜んでいただきました。

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ピアノが工房から出庫してから、納品調律に伺いました。
素敵な防音室にピアノが置いてありました。
音を出してみると、防音室の独特な無音状態の中で、ピアノの音だけが聞こえるので、残響が少し目立っていました。
同時に、このピアノはとても鳴りがいいピアノということをより感じました。
今回は残響を抑えるために、止音リボンを低音部につけて、多少収まりました。
綺麗になったピアノで、新しい環境で、ピアノを永く楽しんでいただきたいです。

by真帆

HORUGEL アクション修理2

工房では、HORUGELの修理を進めています。

サビが深くついていたので、ブラケット、ダンパーロットはメッキ屋さんにお願いして、メッキ加工してもらいました。

before
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after
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アクションは、センターレール、ブラケット、ダンパーロット、レギュレチングレール、ウィペン、ダンパー、ハンマーそれぞれ修理、加工を終えて、これから組み立てていきます。

レギュレチングレールは、高音部を作り直したので、小ジャックの位置とレギュレチングボタンの位置が合うか心配でしたが、問題ありませんでした。

ダンパーフェルト接着

低音部のダンパーは張弦後に弦と合わせて接着が必要ですが、中音から次高音のダンパーフェルトは接着の際に弦と合わせる必要がないため、先に行うことにしました。

オリジナルのダンパーフェルト

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フェルトを外した状態
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ライニングフェルト接着
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ダンパーフェルト接着
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アクションは、本体と合わせて修理が必要なハンマー交換、ダンパー交換(低音部)以外の修理は完了し、組み立てが終わり、長い間バラバラになっていたアクションが集合して、いつも見慣れているアクションの形に戻ってきました。

by真帆

HORUGEL アクション修理

工房では、HORUGELのアクション修理を行いました。

今回はバット関連の部品(ブライドルテープチップ、バットスキン、バットフェルト、キャッチャースキン)の交換をしました。

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スキンは部品同士の摩擦で薄くなっていました。バットスキンは、部品と擦れたところで薄くなり、アンダークロス(白)とアンダーフェルト(赤)の境目を指で触ると、段差がありました。鍵盤を弾いたときに、この段差がガックンと指に伝わってきます。
バットの部品同士が当たる部分のフェルト、クロスは劣化が進み消耗していたので、全て交換することになりました。
ブライドルテープは切れておらず丈夫だったので、割れているチップのみ交換します。

ブライドルテープチップ交換前・キャッチャースキン交換前

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キャッチャースキンを剥がしている途中

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バックチャックスキン、バットスキン接着途中
スキンを触って、毛並みの向きを揃えて接着しました。接着部分がカーブしているので、付け根の部分を先に着してから全体を接着しました。

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キャッチャースキン、バットスキン 接着、加工後

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左側 交換後 右側 交換前 

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バット関連の部品交換が完了し、見た目、機能ともに復活しました。これから、バラバラになっているアクションを組み立てていきます。

by真帆