工房では、ヤマハNo.G2の最終調整に入り、鍵盤の鉛調整を行い、お客様宅にて調整を行いました。
アクションの修理が終わり、アクションを組み立て、鍵盤の重さを確認します。
この時点では、ダウンウェイトが69~72gでした。まだまだ重いので、ハンマーウッドを削っていきます。
ハンマーウッドを削って(テール加工)アクションに取り付けてもう一度測定してみると、ウェイトが1~2g軽くすることが出来ました。
手前 加工前 奥 加工後
これで、キャプスタンの変更と、テール加工で、3~4g軽くなしました。
鍵盤に沢山鉛を入れて、鍵盤自体が重くなると、慣性力が増えて、演奏のコントロールが難しくなるので、少しでも他の要素でタッチが軽くなるように努めました。
この時代のヤマハは、アップウェイトがしっかりあった方がいいのかなとかいろいろ考慮し、アップウェイトが27g以上で、ダウンウェイトが低音~高音にかけて53~50gを目標にすることにしました。鍵盤に鉛を入れていきます。
鍵盤に鉛を入れる穴を開けていきます。
鉛をかしめて、抜け落ちない様にします。
今回、ほぼ全ての鍵盤に鉛を入れたり、抜いたりで、大変な作業になりました。
これで、タッチが重く感じる事は解消されました。
お客様宅での調整前に工房でハンマーの走り傾きの修正をしました。
さて、いよいよお客様宅での最終調整です。
親方が弦とハンマーの当たりを合わせていきます。
親方が本体で調整を進める間、ダンパーワイヤーを磨いていました。
やはり汚れやすいところには、汚れが溜まっていきます。
ワイヤーがキレイになると、ダンパーの動きもスムーズになります。
調整も調律も終わり、最後の整音の作業です。
アクションの修理改善、更に鍵盤のウェイト調整をしたことで、音が良く出るようになりました。
ただし、バランスも変わった為、整音で整えます。
作業終了後、お客様に試弾をしていただきました。
お客様も凄く軽くなったという印象ではないけれど、弾いていても疲れないということで喜んでいただきました。
以前とは違うタッチになり、これからまた新たにこのピアノの新しい一面を発見しながら、楽しんで弾いて頂けたら嬉しいです。
by真帆(補足 孝則)