ベヒシュタイン 入庫

2月も残りわずかになりました。今年も庭の梅が咲き始めました。季節は着々と春に向かっているんですね。

工房ではピアノの修理が順調に進んでいます。
先日はベヒシュタイン、モデルKを入庫しました。1930年製造のグランドピアノです。
仲間の調律師さんのお客様のピアノです。

ピアノはいつもお世話になっているピアノ運送業者さんが運んでくれました。
布団や毛布などで厳重に梱包されたピアノ。

DSC_1650運ぶ時は脚を外してあります。

手早く組み立ててもらい、ピアノがお目見えしました。DSC_1651

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さっそく弾いて状態を確認しました。
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小型のグランドピアノですが、大きさ以上の力強さを感じました。90年近く経っていますが、まだまだ現役です。ただ、たくさん弾かれていたので部品の修理が必要な個所もあります。
今回はさいたまピアノ工房で、アクション修理と鍵盤修理を中心に行います。

いつも新たなピアノを修理する前はなんだかワクワクします。修理をしてさらに弾いて楽しいピアノを目指してやっていきます。

次回は作業が終了したベルトーンのハンマー交換についてお知らせします。

by志乃

ベルトーン 本体組み立てとアクション修理開始

先週から冬季オリンピックが開幕し、毎日熱戦が繰り広げられています。
選手のこの4年間に懸ける思いに胸が熱くなりますね。全力で応援したいと思います。

工房では、ベルトーン、モデルNO.50の修理作業が進んでいます。

弦交換を終えて、外した底板、脚、棚板を組み立ててピアノを起こしますが、組み立てる前にそれぞれのパーツの掃除と磨きを行いました。

底板にはペダルシステムがありますが、底板全体は汚れで真っ黒になっていて、ペダルはサビで覆われ本来の輝きは失われていました。

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ぞうきんがすぐに真っ黒になり、何度もぞうきんを洗いながら隅々まで掃除をしました。ペダルもサビを落としてピカピカに光りました。

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脚も外した状態でバフで磨きました。この脚は曲線があるデザインでとてもおしゃれです。

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くもりが徐々に取れていき、美しいウォルナット色が蘇りました。

さて、本体への組み立てです。
棚板は二人がかりで息を合わせながら取り付けました。なかなか重いので落としたりしないように慎重に行います。

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そして磨いた脚と棚板も取り付けました。

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その後、ピアノを起こしました。

 

次はアクション修理に入りました。
まずはダンパー(音を止める機構)のレバークロスという部分が長年の使用により擦り減っていたので新しいクロスに交換しました。

(右は古いクロスを剥がした後、左が新しいクロスを貼ったもの)
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貼りたてのクロスは手触りも気持ちが良いです。

こちらは何度かブログにも載せていますが、スプーンという部品を磨きました。先ほどのダンパークロスと当たるのがこのスプーンです。今回のスプーンにはサビはほとんどありませんでしたが、くもりがあり手触りがベタベタしていました。ダンパーのクロスと当たったときに余計な摩擦が起きないようにキレイな状態にしておくことが大事です。

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見た目もキレイになりました。

アクションの方も着々と修理が進んでいっています。

by志乃

大橋ピアノ お客様宅へ

暦の上では立春になりました。相変わらず寒さは厳しいですが、体調に気を付けていきたいと思います。

工房では、大橋ピアノモデルNo132を出庫しました。

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昨年から修理を始めていきました。修理前は、外装も内部もかなり傷んでいる状態でした。外装は塗装が色あせていて大きな剥がれもありました。内部は部品の動きの悪さや汚れ等が目立っていました。
外装は静岡の業者さんで全塗装と大きな剥がれの修理を行いました。内部は弦交換を行い、アクション修理(ハンマーも新しく交換)、鍵盤修理等をしていきました。修理を終えてからアクション調整に入ると、音がどんどん鳴りだしていきました。

修理を終えて音を出すと、なんともまろやかで奥深い音色に包まれ、ずっと弾き続けていたい気持ちにさせてくれるピアノに仕上がりました。
大橋ピアノは、数人の職人さんたちの手で1台1台つくられてきたピアノです。ですので決して多く生産されたわけではありませんが、職人さんの熟練した腕で1台を完成していきました。今回こうしてまた、このピアノの人生の手伝いができ、とても光栄に思います。

 

そして先日、 一組のご家族がこのピアノを弾きに工房にお越しいただきました。開口一番、「うわー、素敵ですね!」という反応を頂きました。そしてピアノを鳴らし始めてまろやかな音色が工房全体に響き、ご家族皆さんも音色がとても心地良さそうでした。特に二歳の娘さんは興味深々で、両手いっぱいに伸ばして笑顔で弾いていただきました。このピアノの音色の良さと、外装の美しさを大変気に入っていただき、ご購入を決められました。

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これからご家族皆さんで楽しく弾いてくれると思います。
いつもそうですが、修理をしたピアノをお客様が笑顔で弾いているのを見ると、本当に嬉しく、この仕事の醍醐味のひとつです。

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これからも1台1台のピアノと丁寧に向き合って作業をしていきたいと思います。

by志乃

ベルトーン 弦交換

先週の大雪に続き、今朝も雪が舞う日になりました。
傘を差しながら雪の中を歩くと、自分の周りを雪が踊っているような感じがして幻想的でした。今期は冬を満喫しています。

工房ではベルトーン、モデルNO50の弦交換をしました。
最高音から弦を張り始めていき、中音~低音と続いていきます。

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リズム良く作業を進めていくうちに、弦がどんどん増えていくのは楽しいことです。

大きいハンマーを使ってのチューニングピンの打ち込みは、「ドンドンッ」とかなりの音がするのでスタッフは耳栓をして耳を保護しています。

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低音(巻線)まで張り終えたところです。DSC_1550

まだこの段階では弦は張力が低く、音も「ボヨーン」と鈍く響き、きれいな音階を作るには、まだまだやる事がたくさんあります。
ここからさらにチューニングピンを打ち込み、弦の張力を上げていき、その他にも豊かな音色にするために細かい調整をします。最終的にはこのピアノにとってのベストな状態に仕上げていきます。

下の画像は、チッピング作業。弦を弾いて音階を作っていきます。

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弦を弾くと弦の音をダイレクトに感じ、この作業はなんだか弦楽器のピッツィカートのようにも思います。

すべての工程を終えて弦交換終了しました。真新しい弦が輝いています。

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次はピアノを起こして新たな作業に進みます。弾いた時、どんな音色を奏でるのかとっても楽しみです。

by志乃