新生釜石教会、その後のメンテナンス。

ゴールデンウィークも終わりに近づきました。
この時期らしく、半袖でもいいような陽気が続いています。

さて今週は新生釜石教会のその後のピアノのメンテナンスについてです。
2016年に修理を終え、昨年10月に行ったメンテナンスの後、釜石の調律師の友人の高橋陽子さんに今後のメンテナンスをお願いすることになりました。

そもそもこの津波被害のピアノ修復のお話をいただいたのは、2011年5月のゴールデンウィークの頃、陽子ちゃんから一本の電話をいただいた事から始まりました。(その時『この修理は難しい』と一度は断わったのですが、牧師の柳谷さんの情熱に負け、とりあえず見に行ってみようとなった)

長くこのピアノを良い状態にしておきたいし、何かあってもすぐに現地の調律師さんに対応していただくことが最善だと考え、仕事を引き継いでもらうことにしました。(昨年10月のメンテナンス時の写真です)

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陽子ちゃんの報告画像から。
一番の懸念であった、鍵盤のピンの部分の錆の様子。
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防錆紙の効果があったのか、ピンに錆は全くなく一安心。
防錆紙を再び新しいものに交換してもらうことにしました。

本体の部分も大丈夫だったようです。

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その他、音を止める部品ダンパーの動きが少し悪かったようでしたが、通常のメンテナンスの範囲以内だったようです。

遠く釜石から丁寧にメンテナンスの報告をいただき、うれしく思いました。
引き続き陽子ちゃんにメンテナンスをお願いしたいと思います。

3月11日、ピアノ修理。

冬に比べ、日も長くなってきましたが、まだまだ寒い今日この頃。
3月11日。東日本大震災から6年経ちました。

色々な縁があり、新生釜石教会にあった津波をかぶってしまったピアノを半年間の大修理をし、無事(どうにか)去年の6月に納入されました。

使えるパーツは残し(特に響板)、使えないものは交換しました。(交換できるものは全て交換したと思っています)
写真はほんの一部の交換した部品。ほぼ全ての交換部品は保管してあります。


修理は終えてからが大事です。この先のピアノはどの様になっていくのか、経過を観察していきたいと思っています。

津波被害のピアノ修理をきっかけに、海水をかぶってしまったピアノの修理を経験できたこと、釜石の皆さん(新生釜石教会の皆さん、ピアニストの小井土さんのお母さん、宿の『高きん』さん)と知り合えたこと、そして工房に2人のスタッフが今でもいること。私達にとって、大きな財産となりました。

今日はそれぞれの思いもありますが、いつものとおりピアノの修理を続けています。



新生釜石教会、譜面台。

​秋ですね。紅葉も山では少しずつ始まっている様です。

さて先週、新生釜石教会へ伺い、納入後の確認とメンテナンスをしました。二日目は調整、調律、整音と、音やタッチに関わる事をしました。
さて大分前の話…。修復終了の3週間前、譜面台を透かし彫りにしよう!とアイデアを思いつき、ピアノ技術者仲アトリエピアノピアさんに相談したところ、快く引き受けてくれました。(今回は復興支援ということで特別に引き受けてくれました)

まずは、響板に貼った教会のステンドグラスをモチーフにデザインを考えることにしました。(写真は響板に貼った時の画像)

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ステンドグラスの文字デザインをしていただいた翻訳家の槇山さんに連絡。譜面台のデザインをいろいろ一緒に考えましたが、譜面台にするには黒い部分が多くなってしまい、重い雰囲気になってしまったり、透かし部分が多いと譜面台としての強度が保たれない…。

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デザインに悪戦苦闘。槇山さんが途中まで考えてくれた、音楽と鳩をベースに、思い切って工房全員でデザインを考えなおすことにしました。音楽、鳩、花…。みんなの中で決まったモチーフ。それを上手く生かすデザインがなかなか決まらず。

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そんな中、具体性のあるデザインを考えたのが、気仙沼出身の斉藤さん。海沿い出身ならではのアイデアがありました。そこから試行錯誤とダメ出しの連続。

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花はハマユリ。(この時工房他3人はハマユリの存在を初めて知りました)ハマユリは釜石市のシンボルの花でもあります。そしてホタテ、イカリ。海ならではです。そして五線譜の音は釜石教会の牧師さんが作詩したこのピアノの為の曲『おかえりなさい』の最後の歌詞、歌が生まれる~♪の音符を盛り込みました。(下は最終イメージ図)

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デザインを煮詰めて、アトリエピアノピアさんに加工できるか…。大阪と埼玉で電話やメールで何回か相談にのってもらいました。最終的に細かい部分など丁寧に修正していただき、形にしてもらいました。

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ピアノと同時に譜面台も納めたいと思っていましたが、長く使われる事を第一に、じっくりアイデアを練って良かったと思ってます。強度もデザインもクリアでき、世界で1つしかない譜面台となりました。
7月のテレビ放映前、現地の調律師の高橋陽子さんに取り付けてもらい、ようやく形になりました。

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思い返せばたくさんの方々の協力があって、このピアノの修理が出来たのだと、心から感謝の気持ちでいっぱいです。長く釜石の皆さんに使って頂けたらと思い、始めた譜面台プロジェクト。形になって良かったです。

新生釜石教会、メンテナンス。

6/5日の新生釜石教会でのお披露目コンサートから、四ヶ月以上。

その後、新聞やテレビで取り上げていただき、地元の方々に使っていただいているとのこと。ピアノが活躍されている様で嬉しいかぎりです。

 

半年も経過してないですが、ピアノの状態確認とメンテナンスに釜石へ。

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KIMG4200本体に錆や割れなどは見当たりませんでした。今のところ、良い状態です。引続きこの状態だといいですね。

次は中身のチェック。1ヶ所、鍵盤の軸になっているピンが曇っている状態でした。

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それほど錆が深くなく、すぐに落とせましたが、要注意です。

錆の予防の為に防錆紙を貼りました。

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次回にどの程度効果があったのか、再チェックが必要です。

午後も引続き調整作業です。長く楽しんでいただける様に、しっかりメンテナンスをやっていきます。

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被災ピアノの修復、番外編。三陸の海。釜石から気仙沼

新生釜石教会での調整を終え、翌日は釜石から気仙沼まで車で行きました。

海のない埼玉県民3人と宮城県出身1人。普段見慣れないキレイな海に、心が洗われます。

リアス式海岸。
天気も良く波も穏やか。

海

途中、道の駅へぶらっと立ち寄り、埼玉では見られない、立派な海産物をまじまじ観察。

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値段も安く、美味しそうです。
三陸は海の幸に恵まれています。

釜石から気仙沼へはブラブラしながら一時間半。海を見たり、たくさんのトンネルをくぐったり。
工事の為のトラックもたくさん走ってました。

気仙沼に到着。
気仙沼の研修生真帆ちゃんにまず案内してもらったのは、気仙沼の街を一望できる安波山。

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海、山、気仙沼の街、大島。
通っていた高校、住んでいた場所、新しい新居のある所。まるで立体地図の様です。

旅の途中に気仙沼の語源を調べてみたところ、「気仙沼から海を見ると、目の前に「大島」があり、その内湾がまるで沼のように見えたので、気仙沼と呼ばれるようになった」という由来、古代エミシ語(アイヌ語の兄弟語)の「ケセモイ」(一番南の端の港、境目の港という意味)からきたといわれています。

大島から見た景色も素晴らしいとのことです。

その後、海の市を見学。
市場の様子も見学できます。

 

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海の市ではお土産を買うことができます。

その後、真帆ちゃんの御一家とお食事。

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音楽のお話、震災の時の話など、しながら、美味しい海の幸をごちそうになりました。

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三陸を走っていると、地域によって地形も様々、復興の様子も違いました。

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(小さく遠くに見えるのが、奇跡の一本松。陸前高田を通りがけた時の一枚)

まだまだ復興には時間がかかると思いますが、1歩ずつ復興に向けて進んでいくことを願っています。

キレイな海、風景、美味しい海の幸、そして人のあたたかさ。三陸には良い所がたくさんあります。

是非、足を運んでみてください。