新生釜石教会、津波被害のピアノ修理。
最後に音を出す作業です。
ピアノは出来上がったてからそのままでは、音の鳴りもイマイチで、新しい部品も馴染むまで時間がかかります。
ピアノメーカーなどでは試弾器という機械があり、数時間~機械がピアノを弾く、工程があります。
工房では試弾を技術者が行います。(人間試弾器です)また試しに曲を弾くこともあります。
出荷までの時間もギリギリ、そしてはじめの音出しは是非良い音がいい!ということで、鍵盤楽器奏者の筒井一貴さんに音出しをお願いしました。
色々な楽器を弾きこなし、楽器の良さを引き出すことができる演奏家です。
また復興支援コンサートを長期にわたりされてます。
狭い工房の中、グランドピアノと修復に携わった人、演奏家、が集まりました。
演奏した曲は、新生釜石教会の牧師、柳谷雄介さん作詞、川上盾さん作曲をした曲を弾いていただきました。
教会のシンボルになる曲があればいいなと思い、牧師の柳谷さんに音源を
送ってくださいとお願いしたところ、まさかこのピアノの為の曲があるとは!思ってもいないことでした。
はじめてこの曲を聴いた時、衝撃を受けました。人間でいったら手術中の状態。まだ出来上がってないのに大丈夫か…?(もちろん出来上がりに向かってましたが)と正直思いましが、それと同時に良い楽器にしよう!と更に気合いが入りました。
修復中、工房ではこの曲を流し、口ずさんだり、してました。
音源のみを柳谷さんに送っていただいたので、筒井さんには採譜もしてもらいました。その曲を工房でみんなで歌う…それがこのピアノの音出しになりました。
その時の様子はこちらです。
前半は筒井さんのピアノ演奏、後半が合唱になっています。
工房ができて10年、初めての合唱になりました。まさか自分達自身で歌うことになるとは思いもよらないことでした。うまい下手は関係なく、とにかくそれぞれが精一杯歌いました。
出荷前日。
とても良い時間になりました。
次は工房での最終日について書きたいと思います。