工房はお盆休みも終わり、引き続きピアノ作業がスタートしました。
甲子園では球児の皆さんが元気に熱戦を繰り広げていますが、負けないぐらいのパワーでやっていきたいと思います。
工房では先日栗橋文化会館のスタインウェイD型の定期メンテナンスに行ってきました。
昨年大変ご好評だったこともあり、昨年に引き続き今年もご依頼していただきました。
前回の作業の様子はこちら→スタインウェイDの定期メンテナンス
今回は、前回の結果を踏まえて重点的に行うべき作業を確認して進めていきました。
まずは前回同様、調律・調整の前段階の土台を整える作業から始めます。
鍵盤にささっている金属ピン、鍵盤の奥についているキャプスタンボタンという金属部品を磨きます。
(写真左から4つは磨き後。右から3つは磨き前)
弾いたときのタッチや質感に関わる作業ですので、一つ一つ丁寧に磨き上げるという感じで進めていきました。
また、今回は本体内部の清掃を行いました。コンプレッサーも使いホコリやゴミを掻き出します。
かなりのホコリが出てきて、全身ホコリだらけになるほどでした。定期メンテナンスのタイミングでないと中々出来ないことです。
これで当分は本体もキレイな状態を保つことができると思います。
掃除や部品の磨きは工房での修理の際は行う作業ですが、ホールのピアノも同じように錆びていたりホコリで汚れていました。
そして整調作業に入りハンマーの調整を始め、端から端までくまなく確認して調整していきます。
(写真はハンマー調整。ハンマーが正しい進行方向に動くように調整)
ピアノのアクションは複雑な仕組みで、すべて連動して動いています。整調はミリ単位の微調整でも弾いた感覚が大きく異なります。
88鍵分集中して行います。
最後に調律・整音を行い丸二日間の全行程を無事終えました。
たくさん弾かれていたこともあり、凝り固まっていたようなピアノがメンテナンスをしたことで全体がほぐれて整ったと思います。
このホールでは演奏会の他に、一般の方もピアノに触れる企画など様々ありますが、今後も地元の方に親しまれ、愛されるピアノになってくれたら嬉しいです。