プレイエル 1952年製 フルコンサートグランド

先週入庫したプレイエル。

工房で初めて受け入れるフルコン。

これだけ大きく、歴史的なものは、いつも以上に段取りに慎重さを必要とする。

プレイエル 1952年製 フルコン

一番綺麗に見える角度からの写真。黒のセラック塗装。反対側はすっかり塗装も色も抜け落ちてしまっている。
塗装屋さんと依頼主と相談しながら、どのような方向に進めていくか決めていく。

音とタッチに関する修復は、工房で決めて進めていく予定。

孝則

HORUGEL 響板接着から、側板接着、アクション位置決め、ダンパー接着まで

この3ヵ月で進めた本体の作業、ざっと一気に書いてみた。写真をかなり撮り忘れた事に気が付いたけど、もう遅い。
前回のブログはこちら。
響板裏面塗装

響板接着

響板接着

響板上面塗り

響板上面塗装

鉄骨仮乗せと位置決め、駒圧確認と駒高さ決め  クラウンもしっかりあって難なくできて良かった。

鉄骨仮乗せ、駒高さ決め

駒黒鉛塗り、弦位置確認、穴あけ、駒削ぎ

駒削ぎ

鉄骨取り付け、各穴あけ

鉄骨取り付け、各穴あけ

張弦、ピッチ上げ、シーズニング  問題なくピッチが上がり、ホッとした。

張弦、ピッチ上げ

建付け確認  縮んでたり、曲がってたりして、鍵盤蓋が閉まらなかった。

建付け確認

低音側の厚さ調整  低音の支柱が湾曲していたので、写真のように板を貼り、カンナで平らを出しつつ、諸々調整した。

側平ら出しの準備

側板を接着し腕木を接着ねじ止め。脚の長さを調整した後、ゆがんだ棚板を調整して取り付けて、脚を取り付け妻土台を接着。これらは全て何度も慎重に確認してから接着取付していった。失敗したら大変なことになるので。

その後、キャスターを取り付け、ピアノが垂直に安定して立った時、ピッチを上げた時くらいにホッとした。

筬と棚合わせ位置決め取り付け、アクション位置決めボルト取り付け、ダンパー調整と低音ダンパー接着

アクション、鍵盤筬設置後

作業中疲れた時、思わず指で弦を弾いてしまう。まだ終わってないけど、ゴールは見えている。焦らず進めていこう。

孝則