響板の埋め木、割れ目を専用のトリマーで削り、その断面に合わせて埋める木を作るのだが、トリマーが入りらない厄介な箇所もある。
こういう箇所は作業しやすいように、途中までトリマーで溝を作り、その先は手で溝を作ることにしている。
刃物に強い妻に溝を作ってもらい、自分が埋木作業をした。今回自分がしたのは、この一か所のみ。
作業がやりにくい箇所で、今回の響板の老け方も、いつもと違う質感で、綺麗な形に溝を作るのに苦労した。
溝の形状が少々複雑になってしまったため、カーボン紙を使って進めていった。
久しぶりにやった影響もあるが、この一本で5時間は費やした(2日間にまたいでやった)
接着剤で埋木し、カンナなどで削って平を出した。
下塗り前のペーパーがけの前に、響板のネジを全て外した。ネジ頭を削ると、金属の粉が響板上面に付着し、仕上げが汚くなってしまう為。
外したネジは、元の位置に戻すか、場合によっては同じサイズのプラスねじに交換する事もある。
因みにトリマーで溝を作ったのは全て自分。危険だし、失敗すると響板を無駄に傷つけてしまうので、もう10年は自分しかしていない。
写真で取り忘れてしまったが、表面をサンダーでかけた。製造時の作業があまり丁寧ではなかったようで、表面の細かい傷が目立つ箇所が多く、120番からかけていった。最後は320番で統一し、下塗りした。
塗料がいつも以上に吸われる感じで、何度か塗り重ねた箇所があった。
翌日確認。塗ったとき、塗りすぎたかと思った箇所も、想像以上に吸われていた。もう一回下塗りをするつもり。写真は下塗りして、320番で少しペーパーを掛けたところ。

響板を叩くと、既にいい音がしている。いい感じ。
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