関東地方も梅雨明けし、本格的な夏になってきました。
Eastein model U 、本体の修理です。今回は響板の割れがなかったのですが、チューニングピンの辺りを中心に、錆が進んでいました。
古く錆びている弦を外します。
弦とチューニングピンをとったあとの様子。
錆びたネジもついでに磨いてしまいます。
鉄骨をそうじした後、新しい弦を張ります。
一通り弦を張ったら、チューニングピンを打ち込みです。(画像は素手でやってますが、これは危険です。)
弦をピンと引っ張りました。
夏休みになりました。工房の外ではご近所の子供たちが遊ぶ声が聞こえてきます。梅雨明けはまだ少し先。涼しい中でピアノの修理が進んでいます。
Horugel 、モデルU5、アップライトピアノ修理。昭和33年製造(1958)。今回はアクションを主に修理し、本体はそうじと外装を磨く作業をしました。
外装は派手ではないですが、風格のデザインで、昔ながらの存在感があります。
修理をご依頼された方のおばあさまが、ピアノのレッスンに使われるていたようで、消耗部品はかなりすり減っていました。しかしたくさん使われることで、楽器としては魅力的な温かみのある音がしています。
こちらの修理をしている間、以前、別のお客様からいただいたHorugel の資料も出てきました。こちらは昔のカタログ。メーカーがどの様なイメージでピアノ作りをしたのか、掘り下げて考える事ができました。またこのメーカーがたくさんのピアノが学校に納入されたことが書かれてありました。
すり減っていた部品は交換すれば、再び長くピアノを楽しむ事が出来ます。ピアノはおばあさまから、今度はひ孫さんが使われるようです。思い出と一緒に長く受け継がれていきます。素敵なピアノから、たくさんの音楽が再び奏でられることを願ってます。
イースタイン、モデルU型、お客様依頼の修理に入ってます。
1961年(昭和36年)製造。55年、半世紀以上経ちます。
イースタイン、東京ピアノ工業製造工場。
今ではない手作りのピアノメーカー。
宇都宮で製造されていたようです。日本にはたくさんのピアノメーカーがありましたが、小規模でしたが良品のピアノが造られていました。
工房では3台目のイースタインのオーバーホール。今までは2台はB型、今回はU型です。
二つのモデル、設計の違いがありますが、どちらも鳴りが良く、オーバーホール前ですが、音に魅力があります。
まずは去年オーバーホールした、モデルB の修理前。高音側の響板デザインが特徴的です。
今回のU型はこちら。
これからどのような音になるのか、楽しみです。
北軽井沢の山の中に素敵なピアノ工房
ピアノバルロンジャパンの和田明子さんの工房。
パリのPiano Balleron(ピアノバルロン)で約10年ピアノの修復をされて、(ピアノバルロンは以前ブログに書いたシルビィさんの工房)2011年に帰国、その後北軽井沢の工房を立ち上げました。フランスのピアノ、文化、たくさんの経験と知識…そして素晴らしい情熱を持って修復をされています。
今回の訪問は大阪のアトリエピアノピアさんからの提案でした。現在は社長の小川瞳さん、職人のHinazo さんのお二人が活躍されています。色々なピアノ(フランスのピアノ、ミニピアノ)やオルガンの修復もされています。(昨年2月に工房訪問をしました)
北軽井沢の工房には修復をされている古いフランスのピアノがあります。
日本ではなかなか見ることができない、Papeのピアノ。(Pape は今では当たり前になっているハンマーにフェルト、交差弦を採用、数々の発明をした天才。詳しくは和田明子さん翻訳されたこちらで読むことができます)
プレイエルのモデルP。修復されたものです。試弾させていただきました。優しく明るい音色でした。
北軽井沢の工房の中、たっぷりピアノ談義。
ピアノを前にすると色々な話が飛び交います。
研修生2人は釜石以来の再会。
その日の夜は工房の外でお食事。和田さん御夫妻に美味しい料理を準備していただき、とても楽しくリラックスできました。
北軽井沢の自然の中、リラックスしたり、たくさんの刺激を受けました。エネルギーを受け充電できたので、さいたまで元気に工房再開できそうです。
皆様には本当にお世話になり、とても楽しい時間を過ごす事ができました。ありがとうございました。
(写真提供、アトリエピアノピア)