PLEYEL,3bis、調整中。

春爛漫…とはいえまだ肌寒いですね。次に暖かくなったら桜も開花しそうです。
今日はPLEYEL,モデル3bis、鍵盤修理も終り、調整に入ってます。


ハンマーは2012年の修理の際にフランスのハンマー屋さんに送り、フェルトを巻きなおしてもらっています。Desfougeresさんという、パリにあった(現在は郊外にアトリエを移転)ピアノハンマー屋さんです。古いピアノのハンマーのフェルトを程よい重量と弾力で巻きなおしてくれる世界でも他にない、ハンマーメーカーです。(ちなみに現代のハンマーをつけると、ハンマーが重くなりすぎてしまいます)

パリにいた際、ピアノバルロンの明子さんに紹介していただき、工房見学をしました。(2006年3月10日撮影、中央がDesfougeresさん)


私達にとって、古いフランスピアノを修復する際に欠かせない大事なハンマー屋さんです。

そのDesfougeresさんに巻き直してもらったハンマーがこちら。

これから再調整をし、どの様な音が出るのか楽しみです。

PLEYEL,3bis、鍵盤修理。

風はまだ冷たく感じますが、陽射しは春らしくなってきました。桜の開花が待ち遠しい今日この頃です。
今週はPLEYELのモデル3bis 、1911年製造。

外装の剥がれと日焼けがひどかった為、ピアノ塗装のプロの赤間さんにお願いしました。赤間さんはローズウッドの本来ある赤い色を生かして再塗装していただきました。以前よりシックな色合いになりました。

フランスのピアノ、譜面台の透かしのデザインも美しいです。

中身は2012年に工房で修復済み。(ピアノバルロンの明子さんと共同作業)
鍵盤のクロスが湿気の為膨らんでしまっていたので、今回、再修理をしています。

修理が終わったら調整に入ります。

3月11日、ピアノ修理。

冬に比べ、日も長くなってきましたが、まだまだ寒い今日この頃。
3月11日。東日本大震災から6年経ちました。

色々な縁があり、新生釜石教会にあった津波をかぶってしまったピアノを半年間の大修理をし、無事(どうにか)去年の6月に納入されました。

使えるパーツは残し(特に響板)、使えないものは交換しました。(交換できるものは全て交換したと思っています)
写真はほんの一部の交換した部品。ほぼ全ての交換部品は保管してあります。


修理は終えてからが大事です。この先のピアノはどの様になっていくのか、経過を観察していきたいと思っています。

津波被害のピアノ修理をきっかけに、海水をかぶってしまったピアノの修理を経験できたこと、釜石の皆さん(新生釜石教会の皆さん、ピアニストの小井土さんのお母さん、宿の『高きん』さん)と知り合えたこと、そして工房に2人のスタッフが今でもいること。私達にとって、大きな財産となりました。

今日はそれぞれの思いもありますが、いつものとおりピアノの修理を続けています。



Mansard、アクション修理。

3月になりました。春は出会いと別れのシーズン。工房では年間を通し、ピアノとの新しい出会い、別れがあります。別れといっても、お客様宅へ第二、第三の楽しい生活が待っているので、寂しさより、明るく送り出します。

さて、今日はMansardのアクション修理。

すり減ったクロス(ダンパーレバークロス)の交換です。

金属部品(スプーン)が錆びており、金属部品とクロスがあたるところが凹み、すり減った状態でした。

古いクロスを剥がし、新しいクロスに交換。

バラバラにした部品を元に戻し、組み立て調整。

まだまだ先はありますが、一歩ずつ進めています。