ヤマハU1H 仕上げ

工房では、ヤマハU1Hの作業が最終段階に入り、白鍵の鍵盤バフ、調整、調律、整音をしました。

白鍵にバフをかけました。

白鍵上面は、指や爪が当たるので特に傷や汚れが多いところです。

バフをかける前に鍵盤の汚れを落としました。それだけでも綺麗に見えますが、バフをかけると、より艶が出て仕上がりが綺麗です。

(1月9日 作業前の鍵盤)

(2月22日 作業後の鍵盤)

続いて調整、調律、整音を行いました。

調整する前はタッチが重く、バラつきがあり、弾きずらさを感じました。
調整を進めるうちに重さがとれ、タッチを揃えることでバラつきもなくなり、しっかりとしたタッチになりました。

調整、調律までやると、そのピアノの音がどんな音なのかが見えてきます。
音質、音量のバラつきが気になったので、ハンマーの打弦点が全て弦にあたるようにハンマーを整えました。
全て弦にあたっていると音の粒がそろってきます。
しかし、音が薄く、奥行が少なかったので、ハンマーに針刺しをしました。
音が厚くなり、音色、音量共に全体のバランスもよくなりました。

作業が終了しました。来週出庫の予定です。
これからはたくさん楽しんで弾いてもらいたいです。

by真帆

ヤマハ U1H 鍵盤木口交換

工房でのヤマハU1Hの修理は終盤に入りました。

今回は、鍵盤木口交換についてです。

鍵盤木口は下の写真の部分です。

上面は綺麗でも、木口が変色して茶色っぽくなってしまうことがあります。

木口を剥がしていく作業が大変でした。

鍵盤木口を剥がす場合は、木口部分に蒸気を当てて、剥がしやすくなるものが多いのですが、今回は剥がれないタイプのものだったため、治具やノミ、刃物などを使い剥がしていきました。鍵盤上面を傷つけないように、気を付けて行いました。

(残念ながら、この作業は写真は忘れてしまい、ありません)

木口の樹脂を剥がした後、木の面を平らに加工し、新しい木口を貼り付けます。

青いシールはキズ防止です。このシールを剥がし、木口が大きい分加工していきます。

加工後は角が立っていて、指に当たると痛いくらいでした。なので、しっかり面取りします。

綺麗な白い木口になりました!

次はアクションの調整を進めていきます。

by 真帆

YAMAHA U1H アクション修理

工房では、ヤマハU1Hのアクション修理を行いました。

フレンジコード交換

フレンジコードは経年劣化で切れてしまうことがあります。

下の写真は、フレンジコードが切れてスプリングが跳ね上がっています。

フレンジコードが切れてしまうと、ハンマーの戻りが悪くなったり、連打がしづらくなり、そのまま使い続けると、スプリングが他の部分にひっかけて折れてしまう事もあります。

古いコードをきれいにとって、新しいコードに交換します。

全て新しいコードに変わりました。

見た目も綺麗になりましたね。

ブライドルテープチップの交換

ブライドルテープの先についている、赤いチップを交換します。

皮が劣化してしまい、亀裂が入っています。

新しいチップは鮮やかな赤色です。

ハンマーファイリング

しっかり弦溝が付いています。

この分面で打弦していることになります。

長年のホコリ、汚れがハンマーにも付いています。ファイリングした方(左側)は綺麗になりました。

弦溝が付いていた面も、曲線になりしました。

つぎは、鍵盤木口の交換、調整に入っていきます。

by真帆

ヤマハ U1H 本体磨き

工房では、U1Hの本体の磨きを行いました。

外装の塗面も綺麗に見えても、意外と汚れていました。

汚れを取った後は、バフをかけて磨きます。

より黒がはっきり出て、艶やかになりました。

外装に埋め込まれている金属部分の磨きもします。YAMAHA というロゴと鍵の部分はコンパウンドで磨きます。錆が深いところはサビ落としを使って落とします。

※写真は鍵盤蓋だけですが、本体の磨きは全て磨いています。

鍵盤蓋の蝶番とネジも磨きました。

蝶番の塗料の下まで錆ていたので、塗料を剥がして、金属磨き用のバフをかけました。

鏡面のように綺麗に光を反射するようになりました。

鍵盤蓋を組みたてると、黒も金もくすみがなくなり、コントラストがはっきりして、見た目も締まりました。

これからは、U1Hのアクション修理に入ります。

by真帆