工房では、昭和12年製ホルーゲルピアノの修理を進めています。
鍵盤のバランスピンの交換を行いました。
バランスピンが錆びてしまい、表面がヤスリのようになっています。サビに引っかかって鍵盤が抜けにくくなっている箇所もありました。
サビを落とし、磨くと細くなってしまい、鍵盤ホールガタの原因になります。
なので、古いバランスピンを抜いて新しいバランスピンに交換していきます。
バランスピン 打ち込み途中
フロントピンはバランスピンほどサビはなく、交換せずにきれいに磨きました。
ブッシングクロスは経年劣化により、すり減った部分と虫食いにあった部分がありました。
バランス、フロントブッシングクロスを張り替えます。
このピアノは製造されてから82年経過しているため、オリジナルと同じ厚さのクロスと交換していいとは限りません。
今回は、ブッシングの厚さを決めるサンプルを高音、中音、低音部のように、セクションごとに試しました。
フロント、バランス共に、1.1を試しに張ったところ、ガタになりました。
ブッシングの厚さを決めるときは、工具で調整してガタやスティックにならない丁度良い厚さをねらいます。
結果的に、どのセクションもバランス、フロント共にクロスの厚さは1.2になりました。
これからブッシングを調整していきます。
by真帆