釜石、津波被害のピアノ修理、ピン板修理

釜石津波被害のピアノ修理、ピン板の修理です。

ピン板とはチューニングピン(調律の時に調律師が廻すピン)が刺さっている板のことです。
普段は鉄骨に覆われていて見ることができませんが(写真で鉄に無数の小さい穴が空いてある)、中は積層の堅い木になっています。

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ピアノの構造に関わる大事な部分です。古いピン板に新しいピンを植えても、木材から塩分が出てきてしまい、新しいピンや弦も早い段階で錆びてきてしまうようです。
長くピアノを使って頂きたいので、今回はピン板を交換することになりました。

まずは古いピン板を外します。

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ネジは錆びていましたが、折れずにとれました。

新しいピン板を作ります。
ピン板は一台ずつ鉄骨の形に削り出します。

大きな木材をカット。

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木材は積層で堅く、機械で切るときには切れ端がはじかれないように注意しながやります。

大きな形が決まったら鉄骨に合わせた、木を削ります。

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ピアノの構造に関わる大事な部分です。古いピン板に新しいピンを植えても、木材から塩分が出てきてしまい、新しいピンや弦も早い段階で錆びてきてしまうようです。

長くピアノを使って頂きたいので、ピン板を交換することになりました。

まずは古いピン板を外します。

ネジは錆びていましたが、折れずにとれました。

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鉄骨とピッタリ合うように、ひたすら削り出しです。

ピン板作り、作業はまだまだ続きます。

川口市、納品に行ってきました。

先週、川口市にある児童発達支援事業所すくすくキッズさんにアップライトピアノ(YAMAHA、U3)の納品に行ってきました。

すくすくキッズさんは発達障害のお子さんや、不安を抱えるご家族を支援されています。

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広々したスペース。スタッフさんと話し合い、ピアノの置き場を決めました。日常的にも使われますが、音楽療法にも使うので、ピアノの場所はお子さん達の顔が見える場所になりました。もちろん音響もいい感じです。

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加藤園長さん、音楽療法士の新澤津加菜さん、スタッフの皆さん、明るくあたたかい雰囲気でした。

日常的な音が電子ピアノから生ピアノになることで、音楽環境が変わり、良い影響が出るといいですね。

これからたくさん使っていただけるとうれしいです。

釜石、津波被害のピアノ修理 駒修理3

新生釜石教会、津波被害のピアノ修理。

昨日で震災から五年。長かったような短かったような、どちらともいえます。震災の年の五月に釜石の教会でピアノのお掃除に着手。四年半後にはさいたま市に移動し修復開始。5年目の節目、ピアノは工房で修復中。新生釜石教会で再び、このピアノの音色が届けられるように、着々と作業を進めていきます。

さて駒修理の続きです。

先日ノコギリで上面だけをスライスました。ノコギリで切った駒上面はそのままでは凸凹しているので、トリマーという機械である程度平らを出します。

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低音の短い駒も平らを出します。こちらはピアノ本体から外れているので、鉋がけ。写真を撮り忘れてしまいましたが、短い駒の方は、台座木材(下の写真、下から二つ目ね大きい木材)が歪んで剥がれていたのを接着し、平らを出しました。

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まだまだ駒修理続きます。

釜石、津波被害のピアノ修理、駒修理2 

釜石、津波被害のピアノ修理、駒修理の続き。

錆び付いた駒ピンを抜いた後、再び元の位置に駒ピンを打つ為に、透明なシートに位置を書き出し、その後駒上面を切り出しました。

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駒の土台部分は再び使い、上面をスライス。駒は硬い木材で作られている為、切り出しするのに時間がかかりました。

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元の駒ピンの穴は一つ一つ細い木材で埋めました。

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次は上面に新しい木材を接着する作業に入ります。