一昨日は異常に温かくて驚きましたが、しれっと冬が戻ってきました。今日はクリスマスイブ。早いもので今年もあと一週間ですね。
先月、今年修復したホルーゲルをご所有のS様宅へ伺い、一か所音が出にくい箇所を直しに行きました。些細な原因ですぐに治りました。ご主人はこのピアノを修復して本当に良かったと仰ってくれました。
もともとこのホルーゲルは、ピアノの先生だったS様のお婆様の物でした。昨年暮れ、修復依頼を頂きご実家に伺った時は、すでに施設で生活されており、私はお会いする事が出来ませんでした。
津波被害のピアノが重なり、修復を終えたのは7月。予定よりも2か月遅れてしまい、しかもお婆様は既に他界されてました。非常に残念で、申し訳ない気持ちになりました。
ピアノがS様のマンションに納入されたのは、他界されてから50日目でした。ちょうど49日と重なり、多くの親せきが集まり、この新しく生まれ変わったピアノの元にも来てくれました。以前はジャンジャンしてた音が、柔らかく温かな音色になったと、皆さん喜んでいただいたそうです。
S様の奥様も、ご実家のピアノが断りもなく勝手に処分されて悲しんでた所に、ホルーゲルが来てくれたと喜ばれ、今はS様ご夫妻とお子様たちで大切にされております。
お客様のピアノの修復ではいつも、家族や、人と人との絆について考えさせられ、感慨深い気持ちになります。穏やかで心あたたかなクリスマスをお過ごし下さい。