工房では、KAWAI BL12のバランスピン交換、マフラーフェルト交換を行いました。
バランスピン交換
鍵盤を筬から外していくときに、バランスピンからなかなか抜けない鍵盤がいくつかあり、慎重に外していきました。かなりサビているため、試しに一番サビているバランスピンを磨いてみました。サビつきが頑固で、サビを削り落としていくと、綺麗にはなりましたが、ピンがその分細くなってしまいました。鍵盤を入れて確認してみると、鍵盤のバランスホール(バランスピンが入る穴)とピンの間に遊びができてしまい、鍵盤が前後にガタガタと動いていたので、バランスピンは全て交換することにしました。
(before)
(バランスピン抜き中)
この作業は、かなり力仕事でした。腰が痛くならないように、休みながら行いました。
(after)
オリジナルは真鍮ピンでしたが、メッキピンの方がサビにくいため、メッキピンに交換しました。
下の写真の残っている真鍮ピンは、新しいピンを打ち込む高さの基準として残しています。新しいピンの打ち込みが終わってから、残していた真鍮ピンも交換しました。
フロントピンは、バランスピンほどサビていなかったので、磨きました。こちらの写真は撮り忘れてしまいました。
マフラーフェルト交換
マフラーフェルトは、弱音ペダル(左側のペダル)を踏むと弦とハンマーの間に、下の写真のフェルトが付いたバーが下りて、音を弱くしてくれます。
このフェルトは、ハンマーで何度も同じところを叩いているので、薄くなり、弱音にならなくなってきます。下の写真でいうと、真ん中のフェルトは中音部分ですが、一番消耗が激しいです。このピアノは、本体の外装、内部すべての掃除を行ったので、フェルトも新しい綺麗なものに交換します。
(before)
(after)
このピアノの修理はこれで完了です。次は仕上げに入っていきます。
by真帆