ベルトーン 入庫

12月に入りました。今年も早いもので残り1ヶ月ですね。
街もどこか慌ただしくなる時期です。だいぶ冷え込んできたので体調に気を付けたいと思います。

工房では新たにピアノを入庫しました。
ベルトーンです。
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ベルトーンは浜松の富士楽器製造、ベルトーンピアノ研究所が製造していたピアノです。昭和7年に浜松の天竜川筋でピアノ製造が始まりました。浜松はピアノの街と言われますが、最盛期には多くのピアノメーカーが競い合い、個性豊かなピアノが次々と誕生していきました。

ベルトーンもそうした時代に生まれていったピアノです。
今回修理のために入庫したベルトーンは、外装はウォルナット色でペダルは2本です。どこか外国を思わせるような佇まいをしています。

修理を依頼されたお客様のご家族の方が大切に保管されていました。ご家族皆さんピアノが好きなようで、しばらく弾かれていなかったこのピアノを、もう一度音が響き渡るようにと修理を決断されました。

これから修理に入りますが、お客様が笑顔でピアノを迎えてくれるように作業を進めたいと思います。

by志乃

YAMAHA U1D 鍵盤修理

紅葉シーズン到来ですね。この週末、紅葉を見にお出かけされる方も多いのではないでしょうか?眺めているだけでホッと癒されます。

工房ではYAMAHA、モデルU1Dの修理の続きです。鍵盤の修理に入りました。
まずは鍵盤に使われている赤いクロス(鍵盤ブッシングクロス)の交換です。
クロスの適切な厚さは、タッチに関わる大事な部分。今回のクロスはかなり擦り減っていました。
1本ずつ手作業で貼り換えます。今回は接着剤にニカワを使いました。固まるのが早いのでスピーディに進めていきます。

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そして白い樹脂(白鍵)の上面と手前の部分を新しく交換しました。上面には割れが見られ、手前の部分は激しく劣化していました。

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白鍵は木の鍵盤に白の樹脂が貼られています。
熱を加えて樹脂を剥がして、新しいものを貼ります。そして形を加工していきます。

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全体のバランスをみながらヤスリで少しずつ整えていきます。段々と完成に近づいていく過程が面白いです。

黒い鍵盤(黒鍵)も掃除と磨きをしました。黒でわかりにくいですが、相当な汚れがあり布がすぐ真っ黒になりました。
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曇りが取れて、黒色がはっきりしました。

鍵盤を本体に収めて完成です。鍵盤はつややかに光っています。

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アクションと鍵盤の修理が終わり、調整に入ります。早く音が出るのが待ち遠しいです。

by志乃

YAMAHA U1D アクション修理②

暦の上ではもう冬に入りました。
寒さで体の動きも鈍くなるので、毎朝スタッフ全員でラジオ体操をしてから作業に入っています。体が伸びて気持ちが良いです。

工房ではYAMAHA、モデルU1Dのアクション修理の続きです。
ハンマーには弦を叩いた溝が深くついていました。
よく弾かれていたのでしょう。

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ヤスリでハンマーフェルトを削り、形を整えました。
こうする事で発音もしっかりとした音色を期待でき、見た目もきれいに生まれ変わりました。

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ダンパー(音を止める部品)のフェルト部分も劣化し、虫に喰われている部分もあったので、新しく交換します。
新しいフェルトはフワフワ柔らかく、裁断する時は形が崩れないように気をつけます。

(虫喰いがあったダンパーフェルト)
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(新しくなったダンパーフェルト)
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低音のダンパーは弦に合わせて接着をしました。

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すべてのダンパーフェルトの交換が終わり、アクション全体の修理も一段落しました。

今回のアクション修理は数も多くて細かい作業が続きましたが、全て完成した時の充実感はあります。

次は鍵盤修理に入ります。

by志乃

YAMAHA U5 ハンマー交換

11月に入りました。今日から3連休の方も多いのではないでしょうか。
お天気も良くお出掛け日和ですね。

工房ではYAMAHA、モデルU5のハンマー交換をしました。
真新しいハンマーを目にすると何だかワクワクします。

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まずは真新しいハンマーに針を刺し、ハンマー整形を施して音色の土台を作ります。
ハンマー整形はどのハンマーもキレイな形になるようにします。

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それからハンマーの接着作業に入ります。
まずはハンマーとシャンク(ハンマーの下に付いている木の棒)を接着しました。
次にハンマーシャンクの長さを本体に合わせて決めていきます。弦に当たる位置はピアノの設計に関わる重要な事です。

(ハンマーシャンクを切っているところ)
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(ハンマーを本体に入れて高さを見ているところ)
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何度も状態を見て触って加工して・・と頭と手をフル回転です。

そしていよいよハンマーを接着していきます。
ハンマー接着は『ハンマー植え』とも言いますが、確かにお花を一本一本、土に植えていくのと似ています。
お花を植えるのと違うのは、ハンマーは88本あるのとニカワで接着するので、早く固まるため、植えるスピードが大事です。
集中して一気に行います。

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そうしてすべてのハンマーが交換されました。
フレッシュに生まれ変わりました。
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これからハンマーはさらに音色を整える作業に入っていきます。

by志乃

YAMAHA U1D アクション修理①

長く続いた雨も上がり、今週は秋晴れで日中はポカポカ陽気です。
お庭に柿やみかんがなっているのをたくさん見かけますね。

工房ではヤマハ、モデルU1Dの修理です。
アクション修理に入りました。

年数が経っていることもあり、アクションの金属やフェルト類はだいぶ傷んでいて、場所によっては虫喰いの被害もありました。
ホコリもかぶっていたので、アクションを解体しながら掃除をします。

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ほこりを取り除くとキレイな面が出てきます。なんだか部品が目覚めたようで嬉しくなります。
掃除もひと段落したら修理開始です。まずはセンターピン交換から。
ブログ内でもお馴染みの修理ですが、今回はアクションパーツすべてのセンターピンを交換しました。

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センターピンはアクションパーツの動きの軸になるところ。ひとつひとつ元の状態が違うので確認しながら行います。
後々の弾きやすさに直結するのでとても重要です。

そしてスプーンという金属部品はサビていて手触りもザラザラだったので、すべすべになるよう磨きました。見た目もきれいになりました。

(磨き前)
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(磨き後)
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また、ブライドルテープチップという赤い革の部分が割れてしまっていたので新しいものと交換しました。

(交換前)
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(交換後)
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今回はアクション修理において様々な部品を修理しますが、新しく作りなおすという感覚で楽しく修理しています。

アクション修理、続いていきます。

by志乃