今回は、栗橋文化センターのホールにある、ピアノのメンテナンスに行ってきました。
ピアノは、スタインウェイD型1994年製です。

こちらのメンテナンスは今回で4回目になりました。
毎回、調整や鍵盤のピンの掃除、キャプスタンの掃除などは行いますが、ピアノをいい状態にしていくための作業をしています。
前回までは、鍵盤の剥がれやエラーを無くしていくことに徹していました。
今回はハンマーが弦に対して真っすぐ動くようにハンマーの走り、傾きを調整しました。
ハンマーが弦に向かって斜めに進んでしまうと、ハンマーが弦を打つ力が逃げてしまいます。音のパワーや音色、タッチにも直結します。
そして、バランス、フロントピンの掃除とキャプスタンの掃除、鍵盤ホールの掃除をします。こちらは、毎年行っている作業です。

鍵盤系の掃除をしている間、親方はダンパーの総上げの調整をしていました。

アクションを組んで、サポートのスプリングの掃除もしました。スプリングの汚れは雑音の原因にもなります。
親方が外装を磨いているとき、私はハンマーの打弦距離を揃える作業をしていました。

作業後、チェックしてもらいました。多少デコボコしていると指摘されましたが、最初はよくわからず戸惑いましたが、キャプスタンを回して、助言をもらって進めるうちに、少し見えてきました。
本当に突き詰めると、音に現れますが、その道のりは容易ではないと感じました。
さて、メンテナンスも終盤に入り、整音、調律をして、整えていきます。
整音作業の様子

調律の様子

メンテナンス前はハンマーの走り、傾きがひどく、音の粒の不ぞろいや音の伸びが少なくなっていましたが、直したことで、音の粒がそろい、音の伸びも良くなりました。

今後も、ピアノがいい状態が保たれるようにメンテナンスしていきます。
by真帆