工房では、YAMAHA G5Eの修理を進めています。
今回は、鍵盤のバランス、フロントピン磨きと鍵盤調整、ローラーの掃除、ハンマーファイリング(ハンマーを削り、形を整える)をしました。
まずは、鍵盤のピン磨きです。この鍵盤のピンは、鍵盤の軸になる部分です。
鍵盤のホールの掃除や鍵盤のブッシングクロスを替えても、ピンが汚れていると再び汚れがついてしまいます。
ピンがサビて表面が荒れていると、キーブッシングクロスやホールにダメージを与え、消耗が早くなります。
ピンの表面がサビでヤスリのようになっている場合、凹凸が取れるまで磨くとピンが細くなってしまうので、キーピンの交換になります。
今回は、見た目はサビていますが、表面を研磨剤で磨くと取れるくらいでした。
バランスピン
磨く前
磨いた後
フロントピン
磨く前
磨いた後
ピンを磨くと、タッチもスムーズになります。
鍵盤を木の枠(筬 おさ)に入れて、鍵盤調整に入ります。
今回は鍵盤のブッシングクロスを交換しました。(前回のブログより)
鍵盤調整をしないままだと、ハンマーが上がったままで鍵盤も戻ってこない状態です。
キーブッシングクロスに工具で圧をかけて鍵盤のピンとの間隔を調整し、鍵盤の動きも良く、ガタついた感覚もないようにします。
これで、鍵盤の修理は完了です。
アクションの修理に入ります。
ローラーに古い黒鉛がくっついていました。触ってみると少し粘度があったので、ふき取りました。
ふき取る前
ふき取り後
ハンマーはしっかり弦の溝がついていました。
ハンマーは、新品の状態から弾かれて弦を打つことによって、形が変化していきます。
ハンマーファイリングで弦の溝を取りつつ、ハンマーの形も整形していきます。
左側 ファイリング前 右側 ファイリング後
アクションの修理もあともう一息です。
by真帆
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