大橋ピアノ 調整と仕上げ

今週は雪と凍てつくような寒さの一週間でした。
月曜日にはこちらではめったにないぐらいの雪が降り、まさに辺り一面雪景色。また、今週は気温も朝は氷点下まで下がり、さいたまでは観測が始まって以来、最も低い気温を記録したようです。外はまさに冷凍庫状態で自然と顔がこわばります。雪は好きですが、はやく春にならないかなと思いました。

工房では大橋ピアノ、モデルNO132の調整と白鍵バフを行いました。

アクションを解体しての修理を行い、再びアクションを組み上げると、解体前とは状態が大きく変化します。それなので調整も一から造り上げていかなくてはなりません。
当然今回の修理でも、一から丁寧に造り上げていきました。調整が進むと同時に段々と弾きやすくなっていき、大橋ならではの、しっかりした音色になっていくのがとても良く感じられました。

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ピアノを弾くのは楽しいなぁと思っていただけるのを想像しながら進めていきました。

また、白鍵をバフがけして磨きました。

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新しく貼り替えたのでそのままでも十分きれいなのですが、バフをかけると更につやつや、ピカッと光って見えます。
機械を使っている時は慎重に作業しますが、バフをかけるごとに光っていくのは非常に楽しいです。

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思わず触りたくなるような仕上がりになりました。ピアノ全体の雰囲気もさらに上品になったと思います。

大橋ピアノ、間もなく完成です。

by志乃

ベルトーン 本体部品磨き

今週は厳しい寒さが少し和らぎました。この季節、晴れた日のおひさまは本当に有難く、気分までポカポカします。

工房ではベルトーン、モデルNO50の解体が終わりました。次は本体内部のヒッチピン、駒ピン、サイドベアリングピンの部品を磨きます。

今回のピアノでは、時間の経過と共にピン表面にくもりが見られました。磨くことでつるつるピカピカの状態にしてきれいにします。

こちらは低音弦側にあるサイドベアリングピンを磨いています。

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こちらは駒ピンです。

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奥が磨き前、手前が磨き後です。
ピンとピンとの間が狭く磨きづらいのですが、根気よく丁寧に磨いていきます。徐々に磨いたピンが増えていくのは、なんだかマラソンみたいに少しづつゴールが近づいていく感じがします。
駒ピンを磨いたことで駒上面の黒い部分(黒鉛)が取れてしまったので、磨いた後きれいに塗り直しました。

その他のピンや金属部品も磨き、触るとつるつる、見た目はピカピカに仕上がりました。

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本数も多くとても根気のいる作業ですが、ピン1本1本が光っている様はやはり気持ちが良いです。
そして今度は、このピンに新しい弦が張られていきます。

作業、順調に進んでいます。

by志乃

ベルトーン 解体

お正月も終わり穏やかな日常が戻ってきました。
今朝、工房外の水道蛇口を捻ったら、凍ってしまったのか水が出ませんでした。この冬初めての出来事でびっくりしました。とても寒いのですね。

 

工房では、ベルトーン、モデルNo50の弦交換の為、本体の解体をしました。

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ピアノを寝かせて、底板、脚、棚板(普段は鍵盤が収まっています)などを外したアップライトピアノはお客様に「これはグランドピアノですか?」と言われたことがあります。いつものアップライトピアノの姿からはちょっと想像できないかもしれません。

次は弦を外す為に、まずは全体の弦の張力を素早く落としていきます。なるべく時間をかけずに張力を落とし、ピアノに負担がかからないようにします。チューニングピンを回すごとに弦が緩んでいき、音程もどんどん下がって鈍い音が響きます。

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全体の張力をしっかり落とし終えてから、弦を外していきます。
写真は外した低音の巻線です。巻線の束だけでもかなりずっしり重いです。
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そうしてどんどん弦の解体は進みます。この後さらに細かい部品を外していきます。

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外は寒いですが、工房内はスタッフの熱気で暖かいです。

by志乃

2018年、始動

新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。平成30年、戌年です。
昨年に引き続き、ピアノの修理を中心に様々な話題をお伝えしていきたいと思います。

 

年明けの工房は大橋ピアノ、モデルNO132の調整とベルトーン、モデルNO50の修理からスタートです。

こちらは大橋ピアノ。DSC_1484本体とアクション修理、外装修理を終えて、アクション調整に入っています。

 

こちらはベルトーン。
DSC_1483これから本体も解体していきます。弦交換、ハンマー交換などの修理を行います。次に音が鳴る時、どう変身しているか楽しみです。

 

今年も1台1台、丁寧にピアノと向き合っていきたいと思います。
2018年、今年はどんなピアノとの出会いがあるでしょうか?
気持ち新たに、作業開始です!

by志乃