ピアノ修復、色々な道具を使います。
お気に入りの道具を少しご紹介します。
今回はハサミ。
たまたま目について手に入れたのですが、思ってた以上に切れ味が良く、何年も使っていても切れ味が落ちていない。
フェルトやクロスを切るのに使います。柔らかいものを綺麗にカットできるので、繊細な作業に向いています。裁断をする時に、繊維が細かく切れていく感触があり、思っているようにサクサク切れます。
道具は自分の体の一部に感じられるものがいいですね。
これからも大事に使っていきます。
釜石、津波被害のピアノ修理。
先日、錆が進んでしまったパーツをメッキ屋さん(日本電鍍工業さん)へ再メッキをお願いしました。
普段も管楽器のメッキもされており、工場見学をさせていただいた時にも、管楽器のパーツのメッキ加工がされた物がありました。こちらのメッキ屋さんは津波被害の楽器(管楽器)の再メッキも過去に経験されたそうです。
海水に漬かった金属は錆びが深く侵食しており、釜石教会のピアノパーツも例外ではなく進んでいました。
何度かメッキ屋さんと打合せをし、今週ついに再メッキが完了しました。
同じ金属とは思えないぐらい光り、輝きを取り戻してます。
深く侵食された部分も取り除き、メッキでコーティングされています。
見た目、機能、両方とも復活しました。
再び楽器を組み立て、美しくなったパーツを元の場所で機能させます。
釜石、津波被害のピアノ修理、今週はの駒修理です。
昨年、津波被害のピアノ修理の経験されているクラヴィアハウスの松木さんに大きな作業をする前に相談しました。(お忙しい中、遠方から工房まで来ていただきました)
色々お話する中で、木材と金属が接するパーツ、特に弦の直接あたる木材は塩分が深く染みており、駒のピンやチューニングピン(調律の時に回すピン)は新しい物に替えただけでは再び錆びてくる可能性があると聞きました。
厄介なことにピンだけではなく、新しい弦まで錆びてくるとのことでした。
さて、先ずは駒ピンを駒から抜く作業。古いピンは錆び錆びです。
修理を勉強しに工房に来ているSさん、ピン板(その様子は後日ブログにて)の修理見学に来ていた友人にも手伝ってもらいました。想像以上にピンが錆びており、3人で約2日間、抜くだけでを力を使い果たしました。(Tさんから連絡あり、その日は美味しくビールを飲めたとのこと!)
錆びついて抜けないものは木材ごとドリルを使い、ピンを取ります。
これから駒の上面の木材を交換する予定です。また短い駒は剥がれてきていたので一部交換です。
まだまだ作業は続きます。
新生釜石教会、津波被害のピアノ修理。
一度海水に漬かってしまっているので、鉄などの金属部品が錆びてしまっています。
ピアノ部品屋さんやDIYのお店で売っている場合は新しい部品に交換します。
錆びて折れてしまっているネジなどは、錆びにくいステンレスのに交換で対応できます。
取り替えのできないパーツはメッキ屋さんに再メッキすることにしました。
さいたま市内にある(工房から車で15分程)にある、日本電鍍工業さんに再メッキをお願いすることにしました。
こちらの会社では時計や電子機器、管楽器など様々なパーツのメッキをされているようです。
まずはどのような金属にメッキをするのか、パーツの成分分析をしていただきました。写真上の部品は真鍮にメッキされていて、写真下は鉄にメッキされているものだったようです。
錆の浸食がひどいので、一度錆と古いメッキを落としてから、新しいメッキをします。新しいメッキは種類がたくさんありましたが、営業の方と相談した上、ニッケルメッキにしました。
依頼するにあたり、わかりやすく丁寧にメッキの説明をしてくださりました。また少ない人数で訪れたにも関わらず、工場見学させていただきました。工場内は清潔で、また社員の方も笑顔で対応していただき感動しました。
最後に色々なメッキのサンプルを見せていただき、とてもキレイでした。
写真下は医療器具で、手術の時に見た目でわかりやすくする為に様々な色のメッキをしてるとのことでした。(医療ミスを防げそうですね)
パーツの再メッキ、どの様にキレイになるのか楽しみです。