釜石、津波被害のピアノ、裏側修理2

新生釜石教会、津波被害のピアノの修理。

今週はピアノの裏側の響板修理です。
(先週はニスを落としました。)

まずはサンドペーパーで、表面を整えます。ニスの残りがないように、表面の小さな凸凹を取ります。手で触ると木のぬくもりを感じます。
下地がキレイだと、仕上がりも美しくなります。

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そして木の粉を除去し、響板にニスを塗りました。

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今回は響板以外の柱、外側の枠なども塗りました。なるべく木材の肌をさらさないようにする為です。洗ったとはいえ、一度は海水に漬かってしまっているので、念の為、木の表面にニスで蓋をしました。

乾いたら表の作業に入ります。
1歩ずつ進めていきます。

釜石、津波被害のピアノ、裏側修理。

釜石、津波被害のピアノの修理。
今週はピアノの本体裏側の修理です。

隅々まで入った泥汚れの水洗いを以前して、今週はピアノの心臓部、響板のニスをはがしましました。

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ニスをはがすのには色々な方法がありますが、今回はアルコールでニスを溶かし、拭き取る方法で作業しました。
アルコールを染み込ませ過ぎると、接着剤(にかわ)まで溶けてきてしまうので、慎重にすすめます。

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作業の日は工房がアルコールの香りでいっぱいでした。

これから響板の表面をヤスリで丁寧に仕上げ、新しいニスを塗る予定です。

釜石、津波のピアノ、部品発注。

新生釜石教会、津波被害のピアノ。

先日、修理部品の発注をしました。
(まだ全てではありません)
交換部品の点数が過去最大です。
国内外のピアノ部品屋さんに問い合わせています。(下記の写真は過去に交換したハンマーの余りです。どれが一番このピアノに合うか、検討中)

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ピアノが海水に漬かってしまっており、金属のパーツのほとんどを交換することにしました。小さい部品は錆の浸食が進んでおり、将来、調整作業中などに壊れてしまう可能性があります。

またアクション部品(ピアノのメカニックの中身の部分)も交換です。部品が小さい為、水洗いする訳にはいきません。少しの木の部品の歪みで、弾いているうちに擦れあったり、機能しなくなってしまう可能性があります。

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こちらの部品も交換することになりました。

本体の大事な部分はまだ使えるので交換の必要がありません。

何を残し、何を交換すべきか、検討し一歩ずつ進めていってます。

Eastein model B 、お客様宅へ

Eastein model B型の修理が昨年末に終り、昨年内に無事納品されました。

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昭和41年(1966年)製造。
ちょうど50年前に造られたピアノです。しっかりと造られたピアノであれば、年数ではなく修復が可能です。

外装はあちこち傷んでましたが、磨いて艶を出したら、風格のある雰囲気になりました。

モデルの型はB 型というモデルなのですが、Bluenerというドイツの老舗メーカーを製造モデルにしたと言われています。(「B」はBluetnerの「B」です)
数年前偶然にも、BluetnerとEastein モデルB 型が同時に工房にあったことがありました。見比べ、弾き比べることができました。その経験が今回の修復に、生かすことができました。
工房では製造の時のミスなどある場合、なおせる範囲であれば見直し作業をします。より良く長く楽しんでいただきたいからです。

お客様宅へ、はじめての調律。

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お客様の家に入りましたが、以前からあるような雰囲気です。
音色も優しい、温かみのある響きのする楽器になったと思います。

これからもご家族に長く楽しんでいただけるとうれしいです。

年始、仕事はじめ。

あけましておめでとうございます。

今年も引続きピアノの修理、工房での出来事など、少しずつ発信していきたいと思っています。

年始から新生釜石教会の津波被害のピアノの修理です。
昨年末に全ての部品を並べ、年始に新に作戦会議をしました。

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全ての部品を並べてみると、色々な発見もありました。メーカーはKawai モデルKG – 3。40年ほど前のピアノですが、造りがしっかりしています。シンプルで、無駄が少ない。
また細部も丁寧に作られていて、色々な工夫もされていました。(内容はまた後ほど書いていきます)

早速作業の続き。今度は鍵盤も水洗いです。

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工房が塩の香りになります。

鍵盤上面もいずれ交換しますが、一度乾き切るまで待ちます。
その間にまだまだやる作業があるので、順序良く作業を進めたいと思います。