今回は、いつもお世話になっている技術者の方の依頼で、明治神宮前駅から徒歩5分のSDA東京中央教会にある、YAMAHA G5の修復作業を行なってきました。
礼拝堂に入ると、とても明るく、外の喧騒からは想像できないほど静かな場所で、正面には立派なステンドグラスとパイプオルガンがありました。
さて、グランドピアノの修復内容は、古くなった弦の交換と弦溝のついたハンマーのファイリング、アクションの調整です。
ピアノが傷つかないように、新聞紙で養生し、ピアノに負担をかけないように、弦の張力を少しずつ緩めていきます。
脱弦した後は、チューニングピンとピンブッシュを抜き取ります。
チューニングピンとブッシュを抜く作業と並行して、フレームと響板の掃除をしました。
新しいピンブッシュを打ち込み、ピンを打ち込むために穴を開けていきます。
新しいチューニングピンと弦を張っていきます。
今回はチューニングピンにディアマント、弦は芯線がレスロー、巻線はヒロエピアノハウスさんに巻いてもらったものを使いました。
約230本のチューニングピンと弦を張るので体力と集中力を使う作業です。
礼拝堂にピンを打ち込む音が響き渡ります。
張弦中に耳栓は必須アイテムです。
高音から低音まで弦を張り終え、ピッチを上げていきます。
ハンマーのファイリングをしました。
古い弦溝を取りました。
金属部分の磨きもしました。
真鍮のバランスピンは汚れがとれて、手触りも良くなりました。
蝶番、ネジも綺麗に磨きました。
外装は傷が少なかったので、汚れをふき取りユニコンで磨くときれいになしました。
最後は本体に外装を取り付けて、組み立てていきます。
ピアノの音を出してみると、修復前よりも音の立ち上がりが良く、はっきり明るい音になりました。
修復後の写真を撮り忘れてしまい、載せることが出来ず残念です。
これからも、このピアノを大切に、沢山演奏してもらいたいです。
by真帆