とにかく暑い!という会話が至るところで聞こえてきた今週です。今朝のニュースでは、この土日の暑さを「極暑」という表現を使っていましたが暑さを表現する言葉は多彩ですね。
ほんのわずかな風が心地よいと感じる今日この頃です。
そんな暑い埼玉を今週2日留守にして、会津田島(南会津町田島)へ、ベヒシュタインの定期メンテナンスに行ってきました。ピアノは、御蔵入交流館という複合施設内の文化センターにあります。
ご縁がご縁を呼び、10年ほど前からさいたまピアノ工房が定期メンテナンスをしています。今回は工房スタッフ3人、1泊2日の日程で行いました。
会津田島に到着した時、開口一番「涼しい!」と感激したほど爽やかな風が吹き空気が澄んでいる天候で、暑さにやられていた私達には願ってもない環境でした。それでも地元の方は「暑いですねー」と真逆のことをおっしゃっていて、なんだかおもしろい会話になりました。
会津田島では明日から三日間、『会津田島祇園祭』というお祭りがあり、毎年この時期になると町の方は準備などで忙しくなるそうです。ちょうどお祭り前だったので、駅ではお祭り音楽が流れていたりと町中がとても活気に溢れていました。
さて、ピアノはベヒシュタイン モデルD コンサートグランドピアノです。
最初に音を鳴らした時はタッチが少し重く感じましたが、これはピアノ内部で多少の結露が発生したためにアクションの動きがやや鈍くなってしまったものでした。
まずは整調、調律の前にアクションと鍵盤を外して部品の金属磨きと掃除をしました。
これは毎年行っている作業です。金属部品を触ってみると、かなりべたつきがあり滑りが悪くなっていたので、丁寧に磨いて触り心地がつるつるになるように仕上げました。
下の写真は鍵盤についているキャプスタンボタンという金属部品の磨きです。ボタンの上の面が見た目でもわかるぐらいにくもっていました。写真にはありませんが、鍵盤を収めている金属のピンも磨きました。
またダンパー(止音をする部品)も全て外して、ダンパーワイヤーという金属部品も同じくべたつきがあったため磨きました。
この作業後、アクションを一度ピアノに戻して弾いてみると、最初に比べタッチが軽くなっていました。
今年は3人での作業なので、この機会に始めて大屋根を取り外しました。今がチャンスとばかりに大屋根の蝶番磨き・ヒンジのサビ磨き・蝶番のネジ締め、そして大屋根があることで普段は届かない所の掃除を行いました。
サビや汚れを一掃することができて良かったです!そしてしっかりと状態を確認しながらアクション調整、整音と調律を行いました。
メンテナンス終了後のピアノは、芯のあるしっかりとした音色と重厚な響きが素晴らしく、ホール全体を包みこんでいました。今後も地元の方に愛されるピアノとなってもらいたいです。担当者様や町の方にも大変お世話になり、とても充実した2日間となりました!