エラールの一日。

連日真夏日が続いています。
九州に続き関東も梅雨開け間近のようです。

先日エラールピアノの調律をしに、都内のお客様宅へ伺いました。
この日は偶然にも二台のエラールピアノのご依頼でした。
工房のスタッフ2人がそれぞれのお客様宅へ伺ったのですが、
どちらもエラールピアノなのは珍しいことです。

エラールピアノについて少しご紹介します。
エラールピアノはフランスを代表するピアノメーカーの一つです。
創業者のセバスティアン・エラールが1777年パリで工房を設立しました。
エラールはメカニックに強く、設計や構造の改良を重ねながら
ピアノのレベルを引き上げていきました。
ピアノにおいて様々な発明をして、多くの特許を取りました。
その中でも打鍵の連打を早く正確にできる「ダブルエスケープメント」というアクションの仕組みは、現代のグランドピアノの基礎となっています。

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音色は中高音は澄んでいて、低音はコントラバスのようでオーケストラの響きをも思わせます。

エラールピアノはベートーヴェンやリストなど歴史上の大作曲家にも多大な影響を与えました。

午前中伺ったお客様のエラールピアノは1911年の平行弦で、
午後のお客様のは推定1905年の交差弦のエラールです。
(平行弦は弦がすべて平行に張られています。現在のピアノはほとんどが交差弦で、低音弦が交差しています。)

このピアノを購入したI様はグランドピアノを探していた時、楽器店で
偶然エラールピアノと出会い、とても魅力を感じて購入に至りました。

この日は納入調律で、工房スタッフ全員もご招待していただき、エラールピアノを見学しに行きました。
美しいフォルムと珍しい6本脚のスタイルが目を惹かれます。

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譜面台の裏にも名前のサインらしきものが。
当時の職人さんの息吹を感じます。

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ピアノの大きさはそれほど大きくないですが、ピアノ全体から音が湧き出るような印象がありました。
演奏していても重厚な音色に包まれるような感覚です。
I様も弾くほどにピアノと共鳴していき、電子ピアノからエラールピアノに変わり演奏することがとても楽しいとおっしゃっていました。

今回、平行弦と交差弦のエラールを一日で見る機会を得ることができました。
しかも製造された年代も近く、それぞれの魅力を知りました。
平行弦は一音一音が独立していてクリアに聴こえ、交差弦は音が響きあい幻想的な音色でした。

2台とも美しい音色を奏でていました。

どちらのお客様もエラールピアノを楽しんで弾いていただけると嬉しいです。

by 志乃

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