Eastein B 響板修理。

Eastein モデルB 型のオーバーホール作業です。1966年製造。しっかりとした造りです。
10月になって、湿度も下がってきたので、響板修理をしました。

まずは古いニスを剥がします。ニスの下は白く、比較的状態でした。

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しかし響板が割れていた箇所は数ヶ所あり、そのままでは問題です。割れ目を加工し、新しい木を入れます。

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今回は低音駒の下の響板も割れていたので、一度低音駒を外して修理です。
良くも悪くも、しっかり接着されていました。

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修理を終え、叩いてみたら張りのある音になってました。その音がどれだけピアノの音に反映するのか、楽しみです。

新生釜石教会、津波を受けたピアノ

10月上旬、釜石市にあったピアノがようやく工房に届いた。
新生釜石教会の津波被害にあったピアノだ。

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写真では見えないが、海と錆の混じった匂いがする。外装にヒビも入ってきており、海に漬かると被害は大きい。

2011年春に釜石へ行き、一度解体、掃除をした。
現地ではボランティアの皆さんや釜石の調律師の高橋陽子さんにも手伝っていただき、電気や水道が自由に使えない状態の中、作業をした。

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その時のブログはこちら↓

http://plaza.rakuten.co.jp/19790801/diary/201105300000/

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弦をはずし、掃除をして、錆びる可能性がある所は錆びか進まないように、油分を塗っておいた。
精一杯作業をしたが、時間内にできたのはここまで。

4年ぶりの今年の6月に釜石へ行き、ピアノの再確認。
牧師の柳谷さんと初対面。陽子ちゃんも遠くから駆けつけてくれた。

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その時のブログはこちら↓
http://saitama-piano.main.jp/?p=529

9月下旬、牧師の柳谷さんにさいたまの工房に来ていただいた。
まだピアノが到着してなかったので、工房だけ見て、お話をした。
ピアノの出来上がりを楽しみにしていらっしゃった。
お話しできて元気を充電。(気合いも入った!!)
震災から四年半以上経ったが、ピアノの修復はこれから。

工房に来たピアノ、これからどのようになるのか、作業を慎重にすすめていこうと思う。

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Eastein B型 解体作業

Eastein B型 1966年製造、解体作業です。

湿度の影響を受け、ほとんどのネジがさびていました。

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錆びて木の中でネジが取れないことはよくあることですが、今回はねじ止めされている箇所が多く、解体に時間がかかってしまいました。

 

木の中で折れてしまったネジや、さびのひどいもの、などは新しいネジと交換です。

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今回は響板にもたくさんのネジ止め(響板と響棒止め)がされていました。

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響板終了の前に、響板ネジは全て一度外します。まだ使えるネジは磨いて、元の位置に戻します。

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Eastein Modell B 修理

Eastein B 型 修理作業に入っています。

響板割れ修理がある為に響板修理に適した時期を選び、作業に入りました。

工房に入ってからの測定、診断。

まずは、そのままで見て、弾いて確認をします。

この時はお客様の立場と同じような視点になれるように、普通に弾いてみたりします。

今回は湿度の影響を受けてしまっていて、戻らない鍵盤があったり、見た目も曇ってしまってたり。このまま使うには厳しい状況です。しかし、木の響きを感じられることができ、本体もしっかりしています。

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ピアノを一度寝かせて、

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さらに詳しく見てみます。

弦の状態、本体とアクションの状態、外装の状態、設計などなど。

以前Easteinの同じモデル(年代も近い)の修復をしたことがあったので、その時のデータと比較してみたりもしました。

同時期でも一台一台違うので、とても興味深いです。

さらに作業を進めていきたいと思います。

 

作業机づくり。

今年から工房のレイアウトを見直すことをやってます。2006年11月から工房をはじめ、今度の11月で9年目になります。
始めたばかりの時に作った作業台も、数年前から天板が反ってきて限界になりました。(業台にどのようなことが必要か、作った当初は構造についてそれほど考えてませんでした。)

4~5年前から良い作業台が欲しいと思ってはいたが、ゼロから作るには時間が掛かりすぎる。ドイツから木工作業台(Hobelnbank)を輸入するにはコストもかかるし、場所も取る…。堂々巡りで良い案がなかなか出なかったのですが、今年の2月に関西の工房におじゃまして、それぞれの工房にたくさんの工夫がされていて、良いヒントを得られることができました。

さて机づくり。下の土台となる引き出しは、IKEA で購入し工房で組み立て。しっかりしているし、天板を面で支えるので安心感があります。反りも少くなるでしょう。天板はインターネットで購入。オーダーの時に木材の選択、サイズを切り出してくれるので、工房にぴったり収まるサイズに切ってもらいました。ちなみに天板のサイズはフルコンサートグランドとほぼ同じでした。

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作業台優先に考えて、収納性を二の次と思っていたのですが、結果たくさん収納ができるようになりました。整理整頓も進み、スッキリできました。9年の間に工具も部品も増えてたことに気がつき、いらない物も処分しリサイクルです。

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ラベルを貼り、物の定位置が決まったので、また明日からはピアノの作業です。