調律、ピン磨き

今回は工房での修理ではなく、お客様宅での作業について書きます。

ピアノはヤマハのU3Mです。
お客様から事前にお電話で鍵盤の動きが悪いという相談をうけていました。
コロナの影響で、お家時間が多くなり、久しく弾いていなかったピアノを弾き始めたそうです。

バランスピン磨き

ピアノを弾いてみると、鍵盤は動きますが、もたついていました。
鍵盤を外そうと鍵盤をバランスピンから引き上げようとしましたが、引っかかります。
鍵盤のホールを壊さないように慎重に少しづつ鍵盤を抜きました。

バランスピンの根本がサビていました。
鍵盤を全て外してみると、中音の33F~A37までと高音の68E~70F♯が特にサビがひどく、鍵盤とくっついて取りにくい状態になっていました。
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ひどいサビはスチールウールとコンパウンドでサビの部分だけ削りました。
他のピンもうっすらサビていたので、サビをふき取りました。
鍵盤をピンに入れて動きを確認し、動きもスムーズになりました。

調律

さて、調律の作業に入ると、アクションから雑音がするので中を見ると、フレンジコードが切れて、スプリングが跳ね上がっている状態でした。

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(下の写真は以前工房で修理したNo,U1の時の写真です。)
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このコードが切れていることは珍しい事ではありません。工房でも年に何度か交換します。
今回は、センターピンも抜けかかっているもの、ガタになっているものがあったので、フレンジごと交換することなりました。

後日アクションを引き取りに伺うことになり、今回は調律までおこないました。かなりピッチが下がっていたので、調律後は全然音が違うと喜んでいただきました。
ピッチが上がると響きも明るく感じます。

フレンジ交換後は、フレンジコード、センターピンが良い状態になるので、弾き心地も良くなり、音の発音もはっきりするので楽しみです。

by真帆

工房大掃除

今週は、工房全体の掃除と片付けをしました。

毎年年末に大掃除をしていますが、いつも外の窓掃除や倉庫の掃除はアウターをしっかり着込んで寒い中行ていましたが、ピアノの修理がひと段落付いたので、今年は暖かいうちに掃除をすることにしました。

丁度良く晴れ間が続き、お掃除日和になりました。

今年は、ケルヒャーの高圧洗浄機を使って、外壁や窓、シャッターを掃除しました。あっという間に汚れが落ちて綺麗になりました。

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倉庫も掃除をして、使っていない木材を上の棚に荷上げしたり、時間が経って使えなくなってしまった塗料や溶剤を整理しました。

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工房内も掃除や片付けを行いました。
棚の工具や部品の整理をしながら、掃除を進めていきました。

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工房の掃除は工具も部品もたくさんあって、整理や掃除に時間がかかりますが、どこに何がどれくらいあるのかも再確認できました。こういう時間も大切だなと思いました。
気持ちを新たにピアノの修理に取り掛かります。

by真帆

ヤマハ No.U3 出庫前の整調

工房では、YAMAHA No.U3の出庫前の整調を行いました。

ハンマーの走り、傾き、間隔直し
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ハンマーが弦に真っすぐ当たるようにハンマーの傾きや走りをなおします。
ハンマーの当たり方が悪いと音がしっかり出ないことや、調律が狂いやすくなる原因になります。
ハンマーの傾き、走り、間隔を直すと音がはっきりしました。

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棚と筬の調整と鍵盤ならし

ピアノを弾きやすい状態に仕上げていくため、整調を進めていきました。
鍵盤の高さを確認してみると、場所によってバラつきがありました。
鍵盤が高くなっているところには、棚と中筬(鍵盤の土台)の間に厚紙が敷いてありました。厚紙を抜き、高さをある程度揃えてから作業しました。作業途中に前筬と棚の間に隙間がある事に気が付きました。

写真は、棚と筬の間の隙間に紙を通して隙間の厚さを確認しているところです。

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筬を外して隙間に丁度収まるように厚紙を調整し、筬に張り付け、棚にしっかりねじ止めしました。IMG_4179
隙間があいているときは、タッチが落ち着かず不安定でしたが、厚紙を入れ、筬と棚がしっかりついた後は安定しました。

 

その後、順調に整調はすすみ、全ての作業が終わりました。すっきりとした弾きやすいタッチになり、音も元のキラキラした音が残りつつ、出だしの音がはっきりとした仕上がりになりました。

ピアノが出庫しました。お客様のお宅にピアノが戻って、楽しんで弾いていただきたいです。

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by真帆

ヤマハ U3 鍵盤のピン磨き/鍵盤整調

工房では、ヤマハU3の修理を進めています。

鍵盤のピン磨き

バランスピン、フロントピンどちらも黒くサビていました。
サビが根深い場合はサビ落とし剤をつかったり、目の細かいスチールウールを使ってサビを落としますが、今回はコンパウンドと布でひたすら磨きました。1つの鍵盤につきバランスピン、フロントピンがあるので、キーピンは全部で176本あります。磨く前の準備から、磨いて拭き取るまで、まる一日かかりです。

◎バランスピン

Before

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After

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◎フロントピン

Before
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After
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磨いてピカピカになりました。これでタッチもスムーズになります。

鍵盤のバランスホールの掃除

バランスピンとの摩擦で、鍵盤のバランスホールがごみとサビがついて黒く汚れていました。せっかく綺麗にバランスピンを磨いても、ホールの掃除をしないとピンに汚れが付いてしまいます。しっかりと細い綿棒とベンジンでホールの表面に付いた汚れを落としました。ホールの中のごみやホコリを飛ばしました。

鍵盤調整

このピアノは何年か前に鍵盤ブッシングの交換がされていました。
バランスブッシングが膨らんでいて、鍵盤がスムーズに動かない状態でした。なかなかブッシングクロスを丁度いいところまで潰すのが大変でした。鍵盤調整の作業で右手の皮が厚くなります。これで、鍵盤の動きもスムーズになりました。
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このあと整調を進めていきます。

by真帆