YAMAHA No,U1A 白鍵交換

工房では、HORUGELとYAMAHA No,U1Aの修理を進めています。

今回は、YAMAHA No,U1Aの白鍵上面交換についてです。

白鍵上面のアクリルにヒビが入っている状態でした。
長年使われていたので、上面には細かい傷がたくさんありました。

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木口と上面をそれぞれ剥がします。
濡らしたタオルを鍵盤に被せ、アイロンを当てて白鍵上面を剥がします。
木口は、専用の機具で、下地を切らないように注意しながら、樹脂の部分のみを切り落とします。

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古い白鍵上面を剥がし終わり、仮に新しい白鍵上面を当て、下地と鍵盤に隙間がないか確認します。
接着剤を下地に塗ると、鍵盤上面を貼るときに滑りやすくなるので、治具とクサビで抑えた後もずれていないか確認します。

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白鍵の接着が完了しました。

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鍵盤の下地から新しく貼った上面がはみ出ているところがあるので、そこをベルトサンダーやヤスリで加工します。

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加工した鍵盤の角は指に当たると痛いので、面取りをします。

加工の時に出た粉をふき取り、白鍵交換完了です。

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これですべての交換修理を終え、ここからはピアノを仕上げていきます。

by真帆

YAMAHA No,U1A アクション修理4

工房では、YAMAHA No,U1AとHORUGELの修理を進めています。

今回は、YAMAHA No,U1Aのダンパー修理についてです。

ダンパー部品の現状

ダンパーレバークロス(下の写真の緑色のクロス)は、スプーンとダンパーロットが当たり、すり減っていました。
ダンパースプリングクロス(下の写真の赤色のクロス)は、スプリングがこすれてクロスが薄くなっていました。

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ダンパーレバークロス、ダンパースプリングクロスに濡らした布を被せて、アイロンを当てて綺麗に剥がしました。

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新しいクロスを張る前に、ダンパースプリングとダンパーワイヤーを磨き、磨いた後の汚れもしっかりふき取りました。

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ダンパーレバークロスの接着

厚さ3㎜のダンパーレバークロスを治具にセットして、一つずつカットして接着していきます。

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厚さ1.3㎜のダンパースプリングのクロスも一つずつポンチで打ち抜いて作り、接着しました。

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ダンパーロット磨き

ダンパーロットを外すと、表面はダンパーレバークロスが接していた部分は光っていましたが、他は白くサビていました。触ってみると、ガサガサした手触りでした。このままでは、レバークロスをすり減らす原因になるので、表面を磨いて滑りをよくします。

(before)
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(after)

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綺麗に白いサビは取れました。手触りもツルツルになりました。

次回は、ダンパーフェルトの交換に入ります。

by真帆

YAMAHA No,U1A アクション修理3

工房では、YAMAHA No,U1AとHORUGELの修理を進めています。

今回は、YAMAHA No,U1Aのハンマー植えについてです。

ハンマーヘッドとシャンクの接着

ハンマーヘッドにシャンクを入れたときに、シャンクの左右の間隔と前後の間隔を整えて接着します。

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シャンクの長さを決める

セクションの端のオリジナルのハンマーの高さを基準にして長さを決めます。
最高音は、オリジナルのハンマーの高さと実際に音を聞いて決めます。

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基準を取ったシャンクの長さに合わせて、他のシャンクをノコギリで切っていきます。

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シャンクを切った後は、バットに入れて、ハンマーの高さとキャッチャーの高さを揃えていきます。

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ハンマーをバットに植えていきます。接着剤はニカワを使います。ハンマーの高さとキャッチャーの高さを定規で確認しながら、手早く進めていきました。
ニカワが固まらないうちに、少し戻って確認し、修正しながら進めていきます。この作業を低音、中音、高音に分けてそれぞれ行いました。

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これでハンマー植えは完成です。

次回は、ダンパー修理に入ります。
by真帆