Playel AL 脚の改造準備と、支柱の補強

脚は木のネジで付けるタイプ。製造が1900年前後の木のネジを見たことがあるが、とてもいい仕事をされていた。
今回の1952年製は、簡単にねじ込めて、簡単に外れすぎる。よく見ると少々雑に作られているのが分かる。折れる可能性があるので、取り付け方法を改造することにした。

脚のネジ

その為に足の土台部分や、棚を外した。

アルコールとメスを慎重に入れていく。合成接着剤ではなく、にかわだと分かって少し気が楽になった。時間をかけて慎重に進めていった。

後脚外し

後脚外し後

後脚土台外し

続いて棚も外して(結構大変だった)裏返しにし、エポキシを流すので養生した。

棚外し後、裏面養生

支柱の接続部分の剥れやぐらつきは、掃除をした時に気が付いていた。エポキシで接着させてから、木材で補強することを決めていた。

支柱のぐらつきの程度を撮影した。このぐらついた柱と鉄骨が繋がっていたと思うとゾッとする。鉄骨が折れても不思議ではないレベル。(BGMを消すべきだった)

接続部分はネジで固定されていたので、確認も兼ねて全て締めなおした。大事な一本がバカネジだったので交換した。写真のプラスネジがそれ。少々太くて長いものにした。

3本支柱取り付けネジ交換

この支柱まわりに関しては、きちんと製造されていたとは言い難い。これでは振動をしっかり下支えする事が出来ない。

ありとあらゆる隙間に薄い化粧板や紙を詰め、エポキシを流し数日おき、特に弱かった支柱の接続部には、それに合った形や材料の補強板を取り付けた。

支柱エポキシ流し後と、補強材

支柱補強後

修復前に試弾した時、フォルテが腰無しになったのは、この支柱周りの弱さも原因のひとつだったと思う。

フルコンでこの類の作業をするのは、重くて大きくてホント大変。

孝則

Pleyel AL ピンブッシング発注で

ピンブッシングを当然交換するのだが、サイズが一般的なものと違い、部品屋さんから手に入らない。測定したら、φ11.5のようだった。

Pleyel AL ピンブッシング

9月17日、福島県南会津町でコンサート調律があったため、ついでに(株)オグラに行くことにした。

ヤマハに木材をおろしていたこともあるとの事。
担当者の渡部さんが、ハンマーヘッド用のシデや、アクションレール用のブナなど、ヤマハの要求が厳しくて大変だったことなど話してくれた。

このPleyelのピンブッシングの木材が何なのか、二人でいろいろ話しながら、バルロンのシルビーさんが、プレイエルの駒上面に洋ナシを使っていたことがあると聞いていて、その色に似ていると伝えたら、確かにそれっぽいということになった。
ただ、食用のそれとは質が違うし、そもそもここにはない。そこで結局、今では一般的な楓にすることにした。
外にある広い倉庫の中にある、楓の中から、これがいいのではと出してくれた。

オグラ

楓材の選択

比較的木材が密で均一なもの選んでくれ、赤身と白太について教えてくれた。本当にφ11.5でうまく行くか分からないので、一本試しに製作してから正式発注するつもり。

濃い話ができた。木材から選ぶのは初めての経験。ヤマハとオグラさんに感謝。

孝則