工房では、お客様からの依頼で黒鍵交換を行いました。
ピアノはシュベスターのアップライトピアノです。
黒鍵が沢山弾かれて、よく滑る質感になっていました。
写真だとわかりにくいですが、黒鍵上面の角が取れて、滑りやすくなっていました。
交換する黒鍵は、JAHEから取り寄せた黒檀です。
比較してみると鍵盤上面のエッジがしっかりとあります。
写真では判りにくいのが残念ですが、手で触ってみると違いははっきりしています。
写真の左3本が黒檀、右3本がオリジナルの黒鍵(樹脂)です。
今回、交換するにあたって、悩んだ点がありました。
黒檀そのものの上面はツルっとした質感でした。
工房には、もう一つベークライト(艶消し)の黒鍵があり、比較して黒檀よりも上面は引っかかりのある質感でした。
そこで、お客様と連絡を取り、どちらがいいか再度決めていただくことになりました。
しかし、電話だけでは決めるのは難しく、お客様のお宅にお邪魔し、実際に黒鍵を仮に接着し、弾いた質感で決めていただくことにしました。
お客様のお宅に到着し、黒鍵を弾き比べていただきました。
ベークライト(艶消し)は、表面の滑らない質感はありました。こちらに交換して、オリジナルの黒鍵で思った滑る質感はなく、艶消しも高級感があっていいると思いました。
黒檀はツルっとした質感だったので、滑ってしまうのではないかと心配していましたが、黒檀のみで触った質感と、鍵盤として弾いたときの黒鍵の質感は違いました。上面のエッジがしっかりある事で指にしっかりと存在感を感じ、木の質感の良さを感じました。
お客様も悩まれていましたが、黒檀の方が指馴染みが良く、気持ちがいい質感ということで、黒檀に決まりました。
お客様にも納得していただける方向になって、一安心です。
そして、先ほど交換が終わりました。
明日は納品し、調整します。
お問い合わせはこちら