暦の上では立春になりました。相変わらず寒さは厳しいですが、体調に気を付けていきたいと思います。
工房では、大橋ピアノモデルNo132を出庫しました。
昨年から修理を始めていきました。修理前は、外装も内部もかなり傷んでいる状態でした。外装は塗装が色あせていて大きな剥がれもありました。内部は部品の動きの悪さや汚れ等が目立っていました。
外装は静岡の業者さんで全塗装と大きな剥がれの修理を行いました。内部は弦交換を行い、アクション修理(ハンマーも新しく交換)、鍵盤修理等をしていきました。修理を終えてからアクション調整に入ると、音がどんどん鳴りだしていきました。
修理を終えて音を出すと、なんともまろやかで奥深い音色に包まれ、ずっと弾き続けていたい気持ちにさせてくれるピアノに仕上がりました。
大橋ピアノは、数人の職人さんたちの手で1台1台つくられてきたピアノです。ですので決して多く生産されたわけではありませんが、職人さんの熟練した腕で1台を完成していきました。今回こうしてまた、このピアノの人生の手伝いができ、とても光栄に思います。
そして先日、 一組のご家族がこのピアノを弾きに工房にお越しいただきました。開口一番、「うわー、素敵ですね!」という反応を頂きました。そしてピアノを鳴らし始めてまろやかな音色が工房全体に響き、ご家族皆さんも音色がとても心地良さそうでした。特に二歳の娘さんは興味深々で、両手いっぱいに伸ばして笑顔で弾いていただきました。このピアノの音色の良さと、外装の美しさを大変気に入っていただき、ご購入を決められました。
これからご家族皆さんで楽しく弾いてくれると思います。
いつもそうですが、修理をしたピアノをお客様が笑顔で弾いているのを見ると、本当に嬉しく、この仕事の醍醐味のひとつです。
これからも1台1台のピアノと丁寧に向き合って作業をしていきたいと思います。
by志乃
お問い合わせはこちら