Yamaha U1、鍵盤修理。

関東地方もだいぶ寒くなり、工房も暖房が必要になってきました。

今日はYAMAHAのU1、お客様からのご依頼修理の続きです。

まずは鍵盤張り替え修理です。

鍵盤を使用してかけていたのと手前の樹脂の部分が黄ばんでいました。(黄ばみは経年変化による劣化です)

古い樹脂は剥がします。白い樹脂の下は木材になっています。

新しい白鍵盤はこちら。

新しい白鍵盤に張り替え、黒鍵盤と本体に合わせて加工します。

白い鍵盤はより白くなりました。


新しい白鍵盤になり、ピアノもリフレッシュしました。次は中身の調整です。

Elington 工房からお客様宅へ

冬はもうすぐ、工房にも暖房が必要な季節になりました。
Elington 、最終調整。

 

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弾きやすくし、音色を揃えます。

工房ではできる限りの調整をしますが、数日後にお客様宅で再び、調律や調整をします。ピアノの移動の際に、調律が変化するのを修正。そしてお部屋の響きやお客様のご希望に沿って最調整します。
工房での最終チェックは弾いてみます。

全体の響き感じられ、また不具合の確認もできます。(この日は最終チェックの際、近所の写真愛好家の方がいらっしゃいました)
暖かみのある雰囲気の楽器に仕上がりました。

これからもたくさん楽しんでいただけると、嬉しいです。

Eastein 納入調律。

朝晩は肌寒くなってきました。秋晴れも続いて紅葉狩りにもいい季節です。

先日はお客様宅へ、Eastein モデルU型の納入後の初調律に行ってきました。

ピアノはリビングに。

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楽譜立てと一緒にオシャレです。素敵な雰囲気になっていました。とても大事にされており、丁寧に扱っていただき、うれしく思いました。

ピアノの音は55年を経て、修理したことで新しくなり、アコースティックな暖かみもあります。

ご夫婦とも、ピアノが好きだということで、これからご家族で、たくさん弾かれることになるでしょう。

YAMAHA U1、お預かり修理。

秋も深まり、少し肌寒くなってきました。

工房も新たなピアノの修理に入っています。

今週はお預かりしている、YAMAHAのU1。

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30年ほど前、持ち主の方が仙台から引っ越された際、一緒に埼玉に着ました。ご家族で使われてから、しばらくピアノは弾かれていませんでした。

思い入れのあるピアノでしたが、果たして、まだこの先も使えるのか…、ご相談をいただき、診断に伺いました。

YAMAHAのスタンダードなモデル。お宅にある時も、皆さんのいらっしゃるリビングの片隅、環境の良い場所で、年代が経っていましたが、明るい印象の音でした。部品の交換をすれば、まだまだ使えるということで、工房でお預かり修理ということになりました。

まずはしっかり診断。

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外装や中身も、隅々までチェックします。同じメーカーや機種でも、どの様に使われていたのか、どの様な環境にあったのか、一台一台じっくり見てみる必要があります。

それからようやく修理に入ります。

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鍵盤をはずし、お客様の手の届かない鍵盤下の掃除します。(今回は鍵盤の下はお客様宅で掃除済み)

その後、鍵盤は上面を剥がし修理です。

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鍵盤は古くなり、欠けなどもあったので、新しい鍵盤上面と交換です。(木の部分はまだまだ使えます。ほとんどの鍵盤修理は上面の部分や消耗部品のクロスの交換で終わります)

新しい部品と交換し、これからリフレッシュしていきます。

新生釜石教会、譜面台。

​秋ですね。紅葉も山では少しずつ始まっている様です。

さて先週、新生釜石教会へ伺い、納入後の確認とメンテナンスをしました。二日目は調整、調律、整音と、音やタッチに関わる事をしました。
さて大分前の話…。修復終了の3週間前、譜面台を透かし彫りにしよう!とアイデアを思いつき、ピアノ技術者仲アトリエピアノピアさんに相談したところ、快く引き受けてくれました。(今回は復興支援ということで特別に引き受けてくれました)

まずは、響板に貼った教会のステンドグラスをモチーフにデザインを考えることにしました。(写真は響板に貼った時の画像)

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ステンドグラスの文字デザインをしていただいた翻訳家の槇山さんに連絡。譜面台のデザインをいろいろ一緒に考えましたが、譜面台にするには黒い部分が多くなってしまい、重い雰囲気になってしまったり、透かし部分が多いと譜面台としての強度が保たれない…。

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デザインに悪戦苦闘。槇山さんが途中まで考えてくれた、音楽と鳩をベースに、思い切って工房全員でデザインを考えなおすことにしました。音楽、鳩、花…。みんなの中で決まったモチーフ。それを上手く生かすデザインがなかなか決まらず。

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そんな中、具体性のあるデザインを考えたのが、気仙沼出身の斉藤さん。海沿い出身ならではのアイデアがありました。そこから試行錯誤とダメ出しの連続。

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花はハマユリ。(この時工房他3人はハマユリの存在を初めて知りました)ハマユリは釜石市のシンボルの花でもあります。そしてホタテ、イカリ。海ならではです。そして五線譜の音は釜石教会の牧師さんが作詩したこのピアノの為の曲『おかえりなさい』の最後の歌詞、歌が生まれる~♪の音符を盛り込みました。(下は最終イメージ図)

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デザインを煮詰めて、アトリエピアノピアさんに加工できるか…。大阪と埼玉で電話やメールで何回か相談にのってもらいました。最終的に細かい部分など丁寧に修正していただき、形にしてもらいました。

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ピアノと同時に譜面台も納めたいと思っていましたが、長く使われる事を第一に、じっくりアイデアを練って良かったと思ってます。強度もデザインもクリアでき、世界で1つしかない譜面台となりました。
7月のテレビ放映前、現地の調律師の高橋陽子さんに取り付けてもらい、ようやく形になりました。

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思い返せばたくさんの方々の協力があって、このピアノの修理が出来たのだと、心から感謝の気持ちでいっぱいです。長く釜石の皆さんに使って頂けたらと思い、始めた譜面台プロジェクト。形になって良かったです。