3月に入りました。最近は「春らしくなってきたね!」という会話が聞こえてくるようになりました。
今週は暖かい日もあり、だいぶ過ごしやすいです。
工房ではベルトーン、モデルNO50のハンマー交換を行いました。
入庫前のピアノ診断でお客様宅に伺って修理に関して話し合ったところ、ピアノ本体を工房に運んで弦交換のような大きな修理をするので、せっかくならこの機会にハンマーも新しくしましょうとなりました。今回は、ドイツ、レンナー製を使います。
真新しいハンマーは、ハンマー整形(ハンマーファイリング)をして形を整えます。
ハンマーに接着するハンマーシャンクは、低音・中音・高音用に仕分けしておきます。
仕分けの方法は、金属の板にハンマーシャンクを落として、カランッという音を聞いて分けます。
ここからはピアノの中で作業を行います。
ハンマーシャンクとハンマーバットを接着する前の下準備として、シャンクの長さをノコギリやヤスリを使って微調整し、ハンマーバットに入れ、ハンマーの高さを均一にしていきます。
写真がハンマーバットです。シャンクを入れる穴が開かれています。
この高さ調整で、ハンマーが弦をたたく位置(打弦点)が決まります。丁寧に一本ずつ根気強く進めていきます。
調整が終わり、いよいよハンマーシャンクとハンマーバットを接着します。ニカワの都合上、ゆっくり作業はできません。ここからはリズム良く、かつハンマーの向きに気を付けながら、接着していきます。
1本づつ順番に接着。
その後、高音まで終わり、ハンマー交換が終了しました。
ハンマー交換は、様々な工程を経て最後の接着まであります。ハンマー、ハンマーシャンクと最初は単体の部品から、一からつくり上げていくのでやりがいがあります。
ハンマー交換が終わってからさっそく音を出してみると、力強い音色がしました!まだまだやる事はありますが、少しホッとした瞬間でした。次はアクション調整に入ります。
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