Eastein B型 解体作業

Eastein B型 1966年製造、解体作業です。

湿度の影響を受け、ほとんどのネジがさびていました。

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錆びて木の中でネジが取れないことはよくあることですが、今回はねじ止めされている箇所が多く、解体に時間がかかってしまいました。

 

木の中で折れてしまったネジや、さびのひどいもの、などは新しいネジと交換です。

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今回は響板にもたくさんのネジ止め(響板と響棒止め)がされていました。

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響板終了の前に、響板ネジは全て一度外します。まだ使えるネジは磨いて、元の位置に戻します。

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Eastein Modell B 修理

Eastein B 型 修理作業に入っています。

響板割れ修理がある為に響板修理に適した時期を選び、作業に入りました。

工房に入ってからの測定、診断。

まずは、そのままで見て、弾いて確認をします。

この時はお客様の立場と同じような視点になれるように、普通に弾いてみたりします。

今回は湿度の影響を受けてしまっていて、戻らない鍵盤があったり、見た目も曇ってしまってたり。このまま使うには厳しい状況です。しかし、木の響きを感じられることができ、本体もしっかりしています。

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ピアノを一度寝かせて、

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さらに詳しく見てみます。

弦の状態、本体とアクションの状態、外装の状態、設計などなど。

以前Easteinの同じモデル(年代も近い)の修復をしたことがあったので、その時のデータと比較してみたりもしました。

同時期でも一台一台違うので、とても興味深いです。

さらに作業を進めていきたいと思います。

 

作業机づくり。

今年から工房のレイアウトを見直すことをやってます。2006年11月から工房をはじめ、今度の11月で9年目になります。
始めたばかりの時に作った作業台も、数年前から天板が反ってきて限界になりました。(業台にどのようなことが必要か、作った当初は構造についてそれほど考えてませんでした。)

4~5年前から良い作業台が欲しいと思ってはいたが、ゼロから作るには時間が掛かりすぎる。ドイツから木工作業台(Hobelnbank)を輸入するにはコストもかかるし、場所も取る…。堂々巡りで良い案がなかなか出なかったのですが、今年の2月に関西の工房におじゃまして、それぞれの工房にたくさんの工夫がされていて、良いヒントを得られることができました。

さて机づくり。下の土台となる引き出しは、IKEA で購入し工房で組み立て。しっかりしているし、天板を面で支えるので安心感があります。反りも少くなるでしょう。天板はインターネットで購入。オーダーの時に木材の選択、サイズを切り出してくれるので、工房にぴったり収まるサイズに切ってもらいました。ちなみに天板のサイズはフルコンサートグランドとほぼ同じでした。

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作業台優先に考えて、収納性を二の次と思っていたのですが、結果たくさん収納ができるようになりました。整理整頓も進み、スッキリできました。9年の間に工具も部品も増えてたことに気がつき、いらない物も処分しリサイクルです。

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ラベルを貼り、物の定位置が決まったので、また明日からはピアノの作業です。

Victor 作業終了。

先週の土曜日のこと。
Victor の作業が終了したので、お客様に工房まで見に来て頂きました。
思い入れのあるピアノ、実際に見て弾いて頂くまではドキドキします。

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お客様がとても大事に使われていたので、外装のダメージも少なく、磨いたら黒の艶が戻りピカピカに。ラッカー塗装ということもあり、塗膜が薄いのでキズ自体の補修はできませんでしたが、ラッカーの濃い黒の塗装が復活できて良かったです。

中身について、お見積りの段階で設計コンセプトがはっきりしていることはわかってましたが、最終的な音になった時、小さいのにボリュームがあり、ドイツの小さいピアノのような良さが出てきました。持っている個性が自分の想像以上で驚きました。

お客様には…見た目も中身も気に入って頂くことができました。「早速、バッハを弾きたい。」とおとしゃっられて、引越し先でのピアノを楽しみ(お孫さんも弾かれるとのこと!)にされていたのを見て、嬉しく思いました。遠くに引越されても、このピアノをご家族で楽しんでいただけそうです。

Victor 最終調整

Victor V101の作業。
部品交換などは終わり、最終調整に入りました。
コンパクトに作られているので、小さい中にミッチリ部品が入っていてます。隙間なくアクション部品が入っていて余裕がないので、作業する際は気をつけなければなりません。
これから音やタッチ作りの作業に入ります。最終的にどのような音色が出るのか、楽しみです。→続きはこちら

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