HORUGEL 駒修理

工房では、HORUGELの駒修理に入りました。

駒は上面が割れているなどの大きな破損はなかったため、オリジナルの駒を剥がして使うことにしました。

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通常だと接着ががっちりされていることろなので、簡単には取れない部分ですが、接着剤もはがれやすくなっていました。

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古い駒ピンを抜いていきます。木がやせていて、ピンを簡単に抜くことができました。ピンが緩いと、雑音や弦の一本うなりの原因になります。穴あけやピンの緩さをみて、修理が必要な個所がでてきました。それについては後日のブログで書きます。

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駒の土台は亀裂が入り、木が老けて縮んでしまい、サイズが合わなくなったので、新しく作ることにしました。

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駒の土台作り

ブナの木材を張り合わ、形を加工していきます。形はオリジナルの土台と同じにして、大きさは駒本体に合うように作りました。

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上 長駒の土台 下 短駒の土台

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次は短駒の修理に入ります。

by真帆

小学2年生 生活科「町探検」

今週は、宮原小学校の二年生の生徒さんが、課外授業「町探検」の一環で、今年も工房にたくさんの子供たちが来てくれました。
お隣のパン屋さんに行くグループとピアノ工房に来るグループ、そして保護者の方や先生で、お店の前は子供たちがいっぱい集まってとても賑やかでした。
因みに町探検の写真は、プライバシーの関係で撮影しませんでした。

工房とパン屋

いつもは、午前中の2時間の間に、一つのグループで7人ずつ来るのですが、今年もいつもとほぼ同じ生徒数なのに、コロナ禍の影響もあるのか、1時間で一つのグループ5人ずつだったので、いつもよりも多くのグループを半分の時間でさばいていく感じでした。子供たちは質問をして少しピアノの中を見ているうちに次のグループが来ているので次、という感じでゆっくり質問や見学ができなかったグループもありました。

そんななかでも、ピアノの中に興味津々な子もいれば、工房や機械や工具に興味がある子もいて、各々気になったことを質問したり、デジカメで写真を撮ったりしていました。子供らしい質問も多く、中でもドキッとしたのが、「どうして鍵盤によって音が違うんですか?」という質問。何から説明していいか私が固まってしまい、朋子さんがピアノの中を見せながら音を出して説明し、みんな納得していました。
短い時間でしたが、とても濃い時間になりました。子供たちにも印象に残ってくれていたらうれしいです。

by真帆

 

YAMAHA No,U1A 納品調律

工房で修理していたYAMAHA No,U1Aの納入調律に行ってきました。

このピアノのオーナーは、アプラウスミュージックの篠原さん。
HPはこちらになります→アプラウスミュージックアカデミー

施設内にあるシックな雰囲気のサロンには、リストが愛した、シュタイングレーバー&ゾーネ1903年製が設置されています。浪々と深く歌う性格の楽器で、日に日に深みがましています。

そのサロンに、修復されたYAMAHA No,U1Aが設置されました。
少々エッジが効いたデザインのNo,U1Aが、もともとここにあったかのようで、大変驚きました。そして艶消しの木目にして本当に良かったと思いました。生徒さんたちにも好評だそうです。(写真は篠原さんに撮っていただきました。)

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音は、工房との空間の違いで、少し浅い響きになり、多少キンキンする音も目立っていました。
第一整音から見直すことになり、かなりの時間を費やしましたが、工房で仕上げたときよりも深く且つ明るい音になりました。

これからレッスンや練習の場で素敵な音楽を奏でてくれると思うと、修復した我々もなんだかいい気持ちになります。
今後は使われるうちに変化していく音の様子を丁寧に感じることを心掛けて、ピアノの成長を見守り続けたいと思います。

by孝則