工房では、Steinway & Sons K型のハンマー交換を行いました。
以前のブログでは、オリジナルのハンマーを外すところまで書きました。
Steinway & Sons K型 ハンマー交換1
今回はその続きからです。
オリジナルは、ハンマーの角度が下を向いている状態でした。打弦点はそのままで、ハンマーの角度を直すために、シャンクの長さを切ることになりました。
各セクションの端のオリジナルのハンマーの打弦点と、内隣の新しいハンマーの打弦点が同じ高さになるようにし、ハンマーの角度も確認し、シャンクの長さを決めます。これをすべてのセクションで行います。このように、決めたシャンクの長さに合わせてシャンクを加工していきます。
低音セクションは切る長さが2㎜~0.5㎜くらいで、ノコギリで切るのはギリギリ切れる厚さでした。1㎜以下は地道にヤスリで削っていきました。
中音から高音にかけては、全てノコギリで切って長さを調整できました。
次に微調整をします。シャンクに仮にハンマーをはめて、ハンマーの高さを確認します。高い場合はシャンクをヤスリで削り、短い場合は、紙をシャンクに貼りハンマーの高さを調節しました。
ハンマー植えに入る前に、ハンマーの走りを取ります。このピアノ左右に大きく走っているものがあり、多くのフレンジにのり紙を貼って調節しました。
走りを直してから、ハンマーの高さ、角度を再確認します。
ハンマー植え
ハンマーの接着には、ニカワを使いました。ニカワが緩いと下に垂れてしまうので、ほんの僅か固めにして使いました。
一つずつハンマーの高さ、傾きを確認しながら植えていきます。
by真帆
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