MIKI 仕上げ

工房では、MIKIの修理が終わり、整調に入りました。

第一調整

ハンマーの間隔、走り、傾き

ハンマーの間隔を揃えて、ハンマーの動きを見て走りを直し、ハンマーの向きが弦に向かって真っすぐになるように傾きを取ります。この工程を繰り返し、精度を上げていきます。

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ならし~ハンマーストップについて

調整がバラバラでとても弾きにくい状態ですが、鍵盤のあがき、ならしをやると高さと深さがそろって弾きやすくなってきます。接近はオリジナルが広かったので、ジャックが良い位置で脱進する位置に狭めると、音の出方もはっきりしてきました。ダンパーの総上げは低音と低音側の中音部が、ダンパーの始動が早い傾向がありました。それを高音から低音までのダンパーの始動を揃えていきます。スプーンかかりは早い傾向があり、タッチが重く感じた原因の一つでした。これを基準通りに調整しました。最後にハンマーストップでハンマーが止まる位置を揃えます。

第一調整から調律まで終え、3人で確認しました。鍵盤が少し重く感じ、音もくぐもった印象でした。それらを改善できるように、第二整調の方向性をピアノを前に話し合いをし、決めていきました。

鍵盤ならしの高さを決める

第一整調では、鍵盤の高さをオリジナルと同じ高さで揃えました。第一整調で全体を揃えたので、タッチが重く感じる原因は鍵盤の高さが少し高いことに気付きました。鍵盤が短いので、少しの高さの違いが、大きく結果として出てきます。しかし、高さを下げようとしても、高さを調整する紙のパンチングが入っておらず、下げることが出来ません。鍵盤筬の下を確認したところ、厚紙がたくさん入っていました。おそらく、製造時にあまりパンチングペーパーを入れないで済むように、あらかじめ筬を高くしていたのでしょう。厚紙を取り除き、鍵盤筬のネジをしっかり締めて全体の鍵盤の高さを下げ、高さを調節できるようになりました。結果、鍵盤の高さを62mmから61.5mmに下げることができ、鍵盤を押すときの初めのもったりとした重さが解消されました。

第二整調と整音をして、仕上げに入ります。

by真帆

 

 

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