工房では、YAMAHA No,U3の修理に入りました。
去年の5月にお客様宅に伺い、ピアノ診断と調律を行い、今年の1月に再度調律で伺ったときに、4月からピアノの修理を行う予定でしたが、その後のコロナウイルスの流行の影響で10月まで延期になっていました。
工房にピアノが到着し、ピアノを見ると、底板の化粧板が剥がれて、垂れ下がっていました。
ピアノの裏側の掃除
まずは、ピアノの裏側から掃除をしていきます。
アップライトのピアノの裏側は、ご自宅では壁側にむいていてしかも壁に近いので、掃除がしにくく、ホコリやごみが溜まりやすくなります。
掃除機とブラシでホコリをとり、硬く絞った雑巾で拭いていきます。
掃除前
掃除後
底板修理
ピアノを寝かせ、底板を見ると、瞬間接着剤を流した跡がありました。恐らく過去に調律師が直そうとしたのでしょう。
底板を外すため、ネジを緩めていきます。底板のネジはサビていることが多いので、ネジを折らないように少しづつ慎重に回していきます。瞬間接着剤がネジ穴に染み込んでいた所は、ネジが回りませんでした。潤滑油を染み込ませたり、インパクトドライバーを使いましたが回りませんでしたが、ヒートガンを使って熱でようやくネジが回り、底板を外すことが出来ました。
底板の接着修理の為、今回は部品の解体をしました。解体前の状態の写真を撮りました。外した後の部品は、名前を付け、大切に保管します。
内側の突板も剥がれてきていました。湿度を吸って木が膨らんで大きくなっている状態でした。
大きくなった分は切り取って、接着剤を流し込み、クランプと当て木でしっかり固定し、接着していきます。
内側の突板の剥がれは、5か所あり、全て接着しました。
by真帆
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