工房では、Steinway&Sons K型(New York)の修復に入りました。
このピアノは、音量はありますが、詰まり気味で、音の響きのまとまりが悪い印象があります。
なので、この問題を解消していくために、本体、アクションの修理を行っていきます。
詳しくは、後日それぞれの修理についてのブログで書きます。
修理に入る前に、まずは掃除をします。
本体の棚板、底板を掃除しました。
鍵盤を外してみると、バランスピンのところは見慣れない景色でした。国産のピアノでは、ドーナツ型のパンチングクロスをよく見ますが、Steinwayは蒲鉾型の木にクロスが貼ってあるタイプのものでした。
キャプスタン上面磨き
キャプスタンの上面を触ってみると、少し引っ掛かりを感じました。塗ってある黒鉛も薄くなり、木の表面も少し荒れている状態でした。この黒鉛が塗られているキャプスタンの上面は鍵盤とアクション(ウィペンヒールクロス)が接する部分なので、ピアノの弾き心地に影響します。
キャプスタンの上面をペーパーをかけて、木の表面を整えます。手で触って引っ掛かりがないか確認しました。
ペーパーをかけた後に出た粉をふき取り、塗り黒鉛を塗っていきます。
乾かしてから革で黒鉛を磨きます。薄い部分は取れてしまうところもあるので、もう一度塗り、乾かしてから革で磨きます。
キャプスタン上面の黒鉛塗り直し、磨きは完了です。手触りは滑らかになり、見た目も黒く艶やかです。
次回は、ハンマー交換についてです。
by真帆