日を追うごとに外の空気が冷たくなってきました。
暖かい太陽の光がありがたく感じられますね。
工房ではYAMAHA、モデルU5の調整をしました。
必要な修理をすべて終え、今度は実際に部品がスムーズに動くように調整します。
弾きやすく、そしてピアノの持ち味を生かせるような仕上がりを目指していきます。
一度は解体した部品を調整するので、一から組み立てていく感じです。
途中、ヤマハの調律師さん2名がそれぞれ遊びに来て、指弾してくれました。
「U5って、こんなにいい楽器でしたっけ」、大変驚いていました。
私たちにとっては、ピアノはきちんと修復すると、一台一台個性を持ったいい楽器になる事を日常的に知っているので、驚かれたことに驚きました。
そして最終調整も終えて、お客様の元へ納品しました。
(出荷前の工房にて)
(お客様宅へ納品したところ)
スペースにピッタリ収まったピアノ。
キャスターの受け皿(インシュレーター)は調律師・早川さんの手造りです。キャスターに合わせた特注品。音色も、よりしっかりとした印象を受けました。
五角形がかっこいいです。外装も再塗装したことでピアノ全体の深みが増しました。
見た目も中身も新しくなり、無事にお客様の元へ戻りました。
本体とアクション修理から浜松での再塗装に至るまで数多くの修理をしました。鉄骨も外し、響板だけのまっさらな状態から徐々に部品が組み上げられ戻されていく様は、修理の醍醐味のひとつだと思います。
また今回の修理は調律師の早川忠光さんと共同で行いました。
早川さんは、技術者歴30年以上で日々様々なピアノに触れています。またピアノ1台1台の良さを最大限引き出すため常に研究しています。
約半年に渡り作業をともにしましたが、とても有意義な時間となりました。早川さんは修理や調整において新たな試みを行う事もあり、こちらもたくさんの発見がありました。
技術者としての姿勢など多くのことを学ばせていただきました。今後の糧になると思います。
新しく生まれ変わったピアノ、素敵な音色が響き渡ることでしょう。
by志乃