ベヒシュタイン修復終了 お客様宅へ出庫

今週は何と言っても桜開花の話題が多かったですね。さいたまピアノ工房では昨年に続き、近所の公園でお花見を楽しみました。
桜に囲まれながら過ごす時間はやはり最高でした。この時期は、街行く人もどこか微笑んでいるように感じます。

工房では、ベヒシュタイン、モデルKの修復が終わりました。

鍵盤の修理後は、アクションの修理をしました。サポートヒールクロスという部品のクロスが擦り減っていたので、新しいクロスと交換しました。
クロスは二重構造になっています。

(内側の赤いクロスを外側の緑クロスで包んでいるような感じ。写真では緑クロスの片側はまだ接着されていない状態)
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ハンマーは、ハンマー植えこみ寸法と角度の修正と、ファイリング(ハンマー整形)を行いました。今回の修復作業の一番のポイントでした。

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工房にこのピアノが入ってきて試弾した時、今回の修復を依頼してくださった調律師Fさんとそのお客様が、何が気になって、今回このピアノを修理するのだろうと思うほど、良い音色を奏でていました。ただ、しばらく弾いていると、ベヒシュタイン特有のタッチによる音色の変化が乏しく、音の粒立ちも良くないことに気が付きました。

修理前のプランでは、弦の交換が盛り込まれていましたが、状態が比較的よく、新しく替えても良くはならないと思い、困ってしまいました。そこでハンマーに原因があるのではと思い良く見たら、ハンマーフェルトについている弦の跡が、正常なピアノよりも奥についていることに気が付きました。更に計算した結果、明らかに誤りがある事が分かりました。
Fさんと相談した結果、弦交換はせずに当初のプランにはなかった、ハンマーの寸法と角度の修正をすることにしました。

取り付けられていたハンマーは、純正品と思われ、部品メーカーによって加工された寸法だと、恐らく1990年前後に製造されたものにはピッタリ合うのでしょう。
しかしこの1930年のベヒシュタインには合っていませんでした。ベヒシュタインはこの年代から2005年頃までおおきなモデル変更はありませんが、細かな寸法まで全く同じではありません。しっかり測定をし、それに合わせて加工をしなくてはなりません。

工房でハンマー交換をする時は、一台一台のピアノに最適な状態になるように、工房で穴あけを行っています。今回はその経験が生き、修正後、音の発音が改善され、満足した結果が得られました。

その他に、ダンパー関連の修理もし、更にペダル磨きや譜面台のフェルトを新しくするなど、外装も整えました。

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修理を終えてからの最終調整は、Fさんが行いました。夏日のような天気も手伝ってか、工房内はとても熱気にあふれていました。

調整後はアクションと本体の内部を今一度掃除をし、それから全ての状態を確認しました。

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ハンマー植え角度を修正して、Fさんの調整により、修復前よりも音の発音が良くなり、ほがらかに歌うような音色になりました。
鍵盤も修理前の象牙が剥がれかけて浮いていることもなく、指へのストレスも、もうありません。Fさんも満足した仕上がりになりました。

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新しい工房になってから初めての、ベヒシュタインの修復が無事終わりました。

そして、べヒシュタインが出庫してから約一時間後、修復する新たなピアノが工房に到着しました。そのピアノについてはまた来週お知らせします!

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