ホルーゲル 響板修理

関東地方が今週梅雨入りしました。しかしここ2日間は、日ざしが痛いぐらいの晴天に恵まれて帽子や日傘が大活躍です。明日以降は雨傘の出番が続くのでしょうか。少し憂鬱な気分ではありますが、四季の移り変わりを肌で感じます。

工房では、ホルーゲル(GP)の響板修理をしています。
まずは響板割れの埋め木から。
響板はピアノの心臓部です。ハンマーが弦をたたき、弦振動が駒を通して響板に伝わります。そして響板全体が振動することで音が大きくなり、スピーカーのような働きをします。また音量だけでなく音色にも影響があります。
響板割れは長年の温度、湿度変化によって起こります。今回の響板はけっこうな数の割れが見られました。

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割れている場所をよく見ると、板と板のはぎ合わせ部分が割れていました。どうやらはぎ合わせの接着剤が良くなく、接着不良になり引き起こされたものでした。

修理はまず、割れの部分に専用の埋め木が入るように、機械で加工しました。写真にはないですが、慎重に真っすぐ線を引くように機械を動かしていきます。部屋中に木材の匂いが広がります。その後、さらに埋め木を手作業で微調整していきます。何度も入れて確認しながら、ぴったり合うようになったら接着します。

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埋め木の接着後、響板と面になるまで埋め木の出っ張りを削りました。ふと気づくと全身が粉まみれになっていました。

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今回は全部で16本の埋め木をしました。デカール(メーカーのステッカー)にも埋め木が入ったので、後でデカールを補修しようと思います。
響板修理、次は響板のニス塗り直しを行います。響板がどんどん元気になっていくような気がしています!

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