工房では、ホルーゲル修復が着々と進んでいます。
今回はダンパー交換について書きます。
ダンパーは、音を止めるための部品です。
グランドピアノだと、屋根を開けたとき、黒いダンパーヘッドは弦の上に見えます。
まず、このダンパーの頭の汚れを拭き取り、磨いて行きます。
磨くと外装と同じくらい艶やかな黒になります。
さて、上の写真に写っている、古いフェルトを剥がしていきます。
今回は親方によると、簡単に取れたようです。(親方が仕事を終わらせてしまい、写真は撮れませんでした。)
次に、新しく貼るダンパーフェルトのカットです。
ダンパーフェルトを白い樹脂の治具にはめ込み、長さを決めて切って行きます。
フェルトが厚いため、綺麗にまっすぐ断面を切るのが難しかったです。
カットしたフェルトの写真です。
ここで、ダンパーフェルトの紹介をしたいと思います。
左側に写っているのは、巻線一本弦の低音で使われているフェルトです。
右側に写っているのは、巻線二本弦の低音で使われているフェルトです。
他にも、芯線が三本張られている中音には、部分的にW型のフェルト、中音から次高音には平らな形のフェルトが使われています。
いずれのフェルトも音がしっかり止まるように適材適所で使われています。
さて、話が脱線しましたが、作業に戻ります。
ダンパーヘッドにアンダーフェルトを接着します。赤い帯状のクロスに接着剤をたっぷりのせ、ダンパーヘッドを接着していきます。このとき、刃物が入る隙間くらい開けてダンパーヘッドを置いていきます。乾いたら一つ一つにカットしていきます。
これにダンパーフェルトを接着していきます。
ダンパーフェルトにしっかり接着剤をつけます。
二つのフェルトが一直線上に並ぶように接着します。
ダンパーフェルト交換完了です。
これから、本体に取り付けて調整していきます。
by真帆
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