釜石の津波被害ピアノの修復続きです。ピアノの足元、キャスターの様子です。
錆がひどく、動きが鈍くなっていました。前回の水洗いで、意外な所まで浸かっていたことがわかり、安全を見て、足元のキャスターも交換することにしました。
部品屋さんに注文していた新品のキャスターが届きました。
何事も足元が大事です。
新生釜石教会、津波被害ピアノの修復のつづきです。
本体水洗いの作業に入りました。
その前に本体の解体作業を行いました。通常の修復では解体する必要のない箇所です。今までここまで解体したことはありません。
ほとんどのネジが折れて、しまいました。錆びたネジは木に食い込み、教わった方法や色々な方法を試してみたのですが、結局折れてしまいました。
木の側に折れたしまったネジは、木ごとくりぬき、新しい木を入れネジの穴を開けます。
まずは掃除。手の入らなかった所にまだ砂が残ってました。
そして水洗い。海水の匂いがなくなるまで、何度か洗い出しました。
なるべく木を濡らしたままにしたくなかったので、ふき取りを早く、その後ドライヤーをかけました。
11月は天候が悪い日が多かったのですが、水洗いのタイミングを見つけ、乾かすことができました。完全に乾くまでしばらく置いておきます。
作業する前に『4年半経ったのだから、水洗いの必要が本当にあるのか』など迷ったのですが、完全に解体し水洗いをしたことで、全体がどのように海水が残ってしまっていたのか、傾向がわかりました。
やって良かったと思いました。
釜石津波ピアノの修復の続きです。
解体作業も終わり、まずは鉄骨の掃除から。
津波によって海水に浸かり、ピアノがひっくり返しになったので、鉄骨の裏側に泥が溜まっていました。(灰色の部分が泥です)
四年前、現地で雑巾で泥を落とし、錆びの進行を進ませないようにと、全体にオイルを塗布しておきました。(オイルは缶スプレーのもの)四年前、現地で雑巾で泥を落とし、錆びの進行を進ませないようにと、全体にオイルを塗布しておきました。(オイルは缶スプレーのもの)
さて工房での解体した後、鉄骨の裏を見てみたら、再び錆びが出てきてしまいました。手で触るとポロポロ錆びが落ちてきました。
先ずは錆びの部分は金ブラシで一度取り、後は水洗いしました。
何回か水洗いの後、しっかり乾かしました。裏側は錆止めを塗装する予定です。
水洗いをし、錆びも落ちてので、錆と塩分の混じったような匂いも取れました。
引続き作業を進めます。
津波ピアノの修復。
どのように作業を進めて行くか4年半の間、頭の中で思考錯誤を繰り返してました。
修復の前例が少なく、また海水の影響がどのようにで出てくるのか、予測がつきません。
技術的にどのようにするのがいいのかを、一度津波にかぶってしまったピアノを修復したことのある、経験ある技術者さんに聞いてみることにしました。
長期的に使えることを考えて、修理されている。またそのピアノを継続的に見ていらっしゃる方を探していた所、クラビアハウスさんのホームページと出会いました。
http://www.klavierhaus.co.jp/sitigahama/sitigahama.html
思い切ってメールをしてみたところ、見ず知らずの技術者からの突然のメールだったのにも関わらず、クラビアハウスの松木さんに工房に来ていただきました。
実際にあるにピアノがある方がいい…とのことで、遠くから駆けつけていだきました。ありがとうございました。
どのように海水に浸かってしまったのか、修復後の変化など、包み隠さず、お話いだきました。
技術的なこともそうですが、一台一台気持ちを入れて対応されていて、その技術者としての姿勢に勝手ながら共感、また尊敬しました。
淡々とお話をされていましたが、お客様への配慮、修理したピアノへの情熱など、勉強になりました。
お話をすることにより、より釜石のピアノの修復の方向性がはっきり見えてきた気がしました。
次回はクラビアハウスさんの工房にお伺いしたいと思います。本当にありがとうございます。
新生釜石教会の修理の続きです。
解体作業から。
4年前の震災後に一度現地で解体し、錆びて解体がしにくくなってしまわないように、ネジに油を塗布しておきました。
今年、2度目に現地に伺った時に、ネジを閉め直しておきました。釜石から埼玉からまでの運送中に重たい鉄骨が外れてしまわない為です。安全性を考えました。
さっそく工房で、鉄骨ネジを外そうとした所、3分の1が折れてしましました。
他のメーカーに比べ、少し細い鉄骨ネジだったというのもあります。
他のメーカーでも錆びて取れなくなることは良くあることですが、ここまではありません。
また折れていないネジも、回す時に折れそうになったりしました。
心は折れないように、引続き作業していきます。