ホルーゲル 鉄骨と駒ピンの磨き

8月も終わり近づいてきました。学生さんたちはそろそろ学校が始まりますね。この暑さはまだしばらく続きそうですが、だいぶ体も暑さに慣れてきたように思います。

工房ではホルーゲルの修理を行っています。ブログでは少しご無沙汰していましたが、秋の納品に向けて工程が進んでいます。

響板修理のために外した鉄骨ですが、その鉄骨の掃除と磨きをしました。

磨き前の鉄骨①
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磨き前の鉄骨②
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鉄骨全体が黒い汚れに覆われていたので何度も雑巾で拭いて汚れを落としました。雑巾は真っ黒です。

 

鉄骨裏も掃除
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汚れを落としてからさらに磨き上げたところ、鉄骨の色味が明るくなりました。ピアノ本体に戻した時には見た目の印象がぐっと良くなると思います。

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鉄骨に付いているアグラフという部品もピカピカに磨きました。普段は鉄骨に付いていて、アグラフの穴に弦が通ります

磨き前のアグラフ
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作業がやりやすいように鉄骨からアグラフを一度外しました。どれも真っ黒でサビがひどかったのですが、根気よく磨いていきました。ビフォーアフターがはっきりわかるぐらいの変わりようです。

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すべて磨き終わりました
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また、駒に植わっている駒ピンを磨きました。こちらもかなりのサビ具合、そして磨くピンの数は相当ありましたがコツコツ磨きを進めていきました。

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見た目がつるっとキレイになり、触り心地もザラザラしていないように仕上げました。

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磨き作業はやはり磨いた部品がピカピカになるのが嬉しく、部品が元気に復活するように思います。これからホルーゲルの修理、どんどん進んでいきます!

レスター ハンマー交換

お盆が明けて、今日から工房はまたフル稼働です。今朝は初秋を感じさせるような雰囲気でしたが、風がとても強く吹き荒れています。穏やかな陽気になってほしいですね。

工房では、レスター、モデルNo.200のハンマー交換作業をしました。

たくさん弾かれていたのがよくわかるハンマーの状態でした。ハンマーさん、お疲れ様でした。
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作業はまず、元々のハンマーとシャンク(ハンマーに付いている木の棒)をハンマーバットという部品から抜きました。

基準となるハンマーだけを残します。ハンマーが無いとなんだか滑稽です。
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こちらは新しいハンマーシャンクの選定。金属板にシャンクを落として音を聞き、音の高さごとにグループをつくります。低い音のグループは低音に使い、高い音のグループは高音に使います。
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下の写真は下刺し(第一整音)といって、ハンマーフェルトに針を刺して音色の土台を作っています。ハンマーのメーカーによって針を刺したときの硬さが異なるのですが、その違いを楽しむのも面白さのひとつです。因みに今回のハンマーはドイツのレンナー社のものです。
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下刺しの次はファイリング(ハンマー整形)をしてハンマーフェルトの形を整えます。手作業で1本ずつ形を整えていきました。

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そしてハンマーの接着に入っていきます。こちらはハンマーとシャンクの接着。

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接着剤はニカワを使い、1本1本着実に接着していきます。

その後は場所をピアノ本体での作業です。ハンマーとシャンクの接着が完全に乾いたら、ハンマーバットにハンマーを着けていきますが、まずはハンマーの高さなどを調整します。

何度も定規をハンマーに当てて高さを微調整して揃えます。後々の音色に関わる大事な作業です。
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準備が完了したら接着に入ります。変に接着していないか確認しながら、ハンマーとシャンクの接着時同様、集中して行います。

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全てのハンマー交換が終了しました!
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真新しいハンマーに交換する作業ですが、この作業には下準備や様々な工程があります。接着後のハンマーで音が出た時はとても嬉しいです。今度はこのハンマーでたくさん弾いていただきたいと思います。

レスター 象牙鍵盤の漂白

暦の上では立秋になりましたが、まだまだ暑さは和らぎそうにないですね。甲子園も開幕して、こちらは『熱い』試合が連日繰り広げられています。球児の皆さん頑張ってください!

工房では、レスター、モデルNo.200の修理が進んでいます。
先日は象牙鍵盤(白鍵)の漂白を行いました。
このレスターの白鍵は象牙で、指なじみが良く弾きやすい材質なのですが、経年変化や汗などで段々と黄ばみが出てきます。特に中音~高音にかけては、よく弾くところなのでだいぶ黄ばみが目立っていました。

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現在象牙は手に入らず、新しい象牙と交換することが出来ません。今回は象牙を漂白して、黄ばみを出来る限り落とし、柔らかい白さが出てくるようにしたいと思います。

象牙の漂白はお天気が良くて日ざしが出ている時間帯がチャンスです。漂白をした日は、ジリジリと真夏の太陽が照りつける絶好のお天気でした。日ざしが良く当たるところに象牙鍵盤をセットして象牙の上に障子紙を置き、その上から過酸化水素水(オキシドール)をたっぷり塗って日ざしに当てます。

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この作業を数回繰り返し行います。あまりやり過ぎると、象牙を侵してしまう恐れがあるので、様子を見ながら進めていきました。障子紙を剥がすと紙に黄色が付着していて、徐々に黄ばみが薄くなっていくのが分かります。

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数回漂白を行い、黄ばみがかなり取れ、見た目が大きく変わりました。

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象牙鍵盤はどこか暖かみを感じます。象牙表面を布で拭いてこの日の作業は終わり、後日バフをかけてツルツルピカピカに仕上げます。お天気にも恵まれ、充実した作業が出来ました!

レスター 弦交換

7月も残りわずかとなりました。台風が接近中とのことで、工房から見上げる空は心なしか曇ってきたように思います。大きな被害がでないように願うばかりです。

工房では、レスター、モデルNO.200の弦交換をしました。
本体の解体後、本体部品の磨きと掃除をしてからの作業スタートです。

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最高音から張り始め、中音~低音と進んでいきます。弦の太さは段々と太くなっていき、張る長さもぐんぐんと長くなります。低音の巻線、特に最低音のあたりは一本の弦の重みがずっしりと手に感じます。

張った直後は弦を弾いても、まだまだ音というにはほど遠いものですが、そこから弦の張力を少しづつ上げていきます。同時にチューニングピンを大きなかなづちで打ち込んでいく作業などの、体力を必要とする場面も多くありますが時折休憩を挟みながら着々と工程が進んでいきました。

張った直後の低音巻線
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チューニングピンの打ち込み風景 打ち込む音がガンガンと大きいので耳栓が必需品
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仕上げの段階の時には弦はピンと張り、指で弦を弾くと明るく伸びのよい音色を感じました。張りたての弦を鳴らす瞬間は毎回ワクワクします。

 

終了後、ピアノを起こしました
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アクションを付けて音を出す日が楽しみです。暑い日の作業でしたが、順調に弦交換が終わりほっとしました。次はアクション修理に入ります。

YAMAHA C5 本体磨き&掃除

明日から三連休の方も多いのではないでしょうか?猛暑が続くらしいので、プールや涼しい施設など賑わいそうですね。こちらでは日曜日に地域のお祭りがあります!

工房では、YAMAHA、モデルC5の本体の磨きと掃除を行いました。

下の写真はアグラフという部品で、このピアノには低音と中音に付いています。(ピアノによって異なります)このアグラフの穴に弦が通ります。サビが付着していて、だいぶお疲れの様子。小さい部品でなかなか磨きにくかったのですが、道具と指をうまく使ってきれいになりました。

(スチールウールで磨きました)
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(ピカピカになりました)
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高音には、カポ・ダストロ・バーという部品があります。(通称カポ)鉄骨の一部分にこの部品はあり、鉄骨の裏側なので普段は見えません。このカポが弦を上から押さえています。

(鉄骨裏側から見た景色。弦の張力が落ちていて分かりずらい写真ですが、弦に当たっている銀色の長細いものがカポ・ダストロ・バーです)

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カポには年月とともに弦のあとが深く付いたりサビも発生し、それらが原因で音色の雑音を引き起こすことがあります。高音域にはザラっとした音色がありましたが、カポを磨くことで雑音の解消に繋がります。このカポは鉄骨の裏側にあるため鉄骨を外した時は裏返して普通に磨けるのですが、今回のように鉄骨を外さずに磨く場合は目視が難しいので、鏡やライトを使って工夫しながら弦のあとを取り除くように磨きました。

駒ピン、ヒッチピンというピン類はくもっていたので、こちらも一本づつ磨いていきました。徐々に本体内部も光りだしました。

(ヒッチピン 右側 磨き前 左 磨き後)
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磨き作業後、鉄骨と響板の掃除を行いました。どちらも掃除前は真っ黒に汚れてはいませんでしたが、掃除をすると色味がはっきりして全体がぱっと明るくなりました。

(磨き、掃除前)
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(作業後)
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本体の磨きと掃除が終わり、次は弦交換に入ります。