レスター 象牙鍵盤の漂白

暦の上では立秋になりましたが、まだまだ暑さは和らぎそうにないですね。甲子園も開幕して、こちらは『熱い』試合が連日繰り広げられています。球児の皆さん頑張ってください!

工房では、レスター、モデルNo.200の修理が進んでいます。
先日は象牙鍵盤(白鍵)の漂白を行いました。
このレスターの白鍵は象牙で、指なじみが良く弾きやすい材質なのですが、経年変化や汗などで段々と黄ばみが出てきます。特に中音~高音にかけては、よく弾くところなのでだいぶ黄ばみが目立っていました。

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現在象牙は手に入らず、新しい象牙と交換することが出来ません。今回は象牙を漂白して、黄ばみを出来る限り落とし、柔らかい白さが出てくるようにしたいと思います。

象牙の漂白はお天気が良くて日ざしが出ている時間帯がチャンスです。漂白をした日は、ジリジリと真夏の太陽が照りつける絶好のお天気でした。日ざしが良く当たるところに象牙鍵盤をセットして象牙の上に障子紙を置き、その上から過酸化水素水(オキシドール)をたっぷり塗って日ざしに当てます。

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この作業を数回繰り返し行います。あまりやり過ぎると、象牙を侵してしまう恐れがあるので、様子を見ながら進めていきました。障子紙を剥がすと紙に黄色が付着していて、徐々に黄ばみが薄くなっていくのが分かります。

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数回漂白を行い、黄ばみがかなり取れ、見た目が大きく変わりました。

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象牙鍵盤はどこか暖かみを感じます。象牙表面を布で拭いてこの日の作業は終わり、後日バフをかけてツルツルピカピカに仕上げます。お天気にも恵まれ、充実した作業が出来ました!

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