工房では、ヤマハ No.G2Aの修理を進めています。
駒圧調整
響板修理を終え、鉄骨が本体に収まりました。
でもまだ弦を張る作業はできません。
張弦前に確認することや取り付ける部品など諸々あります。
チューニングピンからアグラフ(カポ)、アグラフ(カポ)から駒、駒からヒッチピンと弦が張られますが、駒とヒッチピンの間に弦枕があります。その高さを調整して、弦を張ったときに駒にかかる圧力を調整します。 ただし、有効弦側の駒圧があることはしっかり確認しないとなりません。
このピアノは工房に入ってきたときはクラウン(響板の張り)が無く、ほとんど平らでしたが、響板裏の支柱と響板の間にくさびを入たり、ニスを塗るなどして、ほんの少しは改善しました。しかし駒圧をかけすぎてしまうとクラウンが落ち過ぎて、結果部分的に駒圧がマイナスなってしまう懸念があります。
今回は弦枕に相当する鉄骨の表面の高さがデコボコだったので、厚紙(後で硬化させた)を使って平らにする必要がありました。
それから高音部の非常に高い駒圧を下げ、全体的にも駒圧をわずかに下げて、結果すべての箇所で、わずかにプラスになるようなゴールを目指して調整してみました。結果はどうなるかわかりませんが。
響板の鳴り
ちなみに、鉄骨を本体に乗せる前と鉄骨を乗せてネジを締めた後では、音の出方が違いました。
響板だけで聞くと、どこかに音が逃げてしまい、音がはっきりせず、曇ったイメージでしたが、鉄骨のネジを締めたら倍音構成までしっかり感じる、いい音が出るようになりました。いずれにしても、修理をする前の音とは雲泥の差があります。
今回は初の試みで響板の音を録音してみました。
結果はこちら↓
iPhoneのボイスメモで録音しましたが、私たちが聞いた現実の音とは全く違いました。iPhoneの箇所を変えて何度も録音しましたが、最初の叩いた音ばかり拾ってしまい、音のふくらみや倍音など、全く再現できませんでした。ここまで違う音になってしまうとは、本当に驚きました。
音の世界は空間の中にたくさんの情報があるとを身に染みて感じました。
by真帆(補足 by 親方)
おすすめ記事↓
お問い合わせはこちら