工房では、ヤマハ No.G2Aの響板修理を進めています。
駒ピン磨き
駒ピンを一本一本スチールウールで地道に磨いていくと、真鍮が綺麗に光ります。
磨く前
剥離
茶色くなったニスを剥がします。
アルコール(メタノール)を使って落としていきます。
この作業は換気をして行います。アルコールで鼻がツンとしてするくらい空気中にアルコールのにおいが充満します。
綺麗になっていくのでやりがいがある作業です。
響板の状態
響板は太鼓の革のように、張りがある方がよく響きます。
この響板は中央部が落ちてしまい、張りが失われている状態でした。
本体を裏返す前に、響板のクラウンを復活させるため、響板と支柱の間にくさびを入れておきました。
本体を裏返しにして響板の確認と掃除をしていきます。
響板上面には亀裂が何か所か見られました。
室内が乾燥した中で、響板上面の亀裂が裂ける方向に開いてくるはずですが、亀裂は開かず、裏から亀裂に塗ったニスが木に染み込んでいきませんでした。なので、響板に傷をつけて埋木をするのではなく、響板上面を研いで状態を整えてニスを塗りなおすことになりました。
ピアノを起こして確認してみると、クラウンが復活していました。
次回は響板の研ぎ、ぬりを進めていきます。
by真帆
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