今回はHORUGELの修理について書きます。
前回のブログでは、支柱の補修まで書きました。→HORUGEL 響板、支柱、駒の修理開始
木材の狂い、弦の張力の影響などで、支柱が沿っています。リムやピン板は、隣り合う支柱の上面に、またいで接着されるので、隣り合う支柱の接着面側を、均一で平らにしなくてはなりません。長い定規を使って確認しながら木材を足したり削ったりして平らを出しました。
横の支柱をはめ込んで接着します。木が痩せたのか隙間があったので、ピッタリはまるように木を足して長さを増やし、木のハンマを使って平らにした支柱の面と横支柱の面が揃うまで、慎重に入れ込み接着しました。
(隙間に木を足して接着した写真)
リムの接着
接着作業は二人で行いました。接着前に、横支柱と支柱の上面が平らかを確認修正しました。
接着作業は素早く正確にしなくてはならないので、まずは作業前に接着剤なしで仮に固定し、クランプで止める場所などを確認します。
その他いろいろと確認してから本番になります。接着剤を接着面に塗り、位置を出し、素早くクランプで固定していきます。このときどうしても接着剤で滑ってずれてしまうので、接着剤が乾く前にクランプを外しては直しを繰り返します。余ってあふれた接着剤は、乾かないうちに濡れた布巾で拭き取り、固定したまま数時間おいて接着完了です。
(助響板とリムを接着した写真)
リムの製作
オリジナルのピン板側の一番長いリムが、ひどく曲がっていました。木目が悪い為狂ったのか、そもそも曲がっているのに、ネジで支柱に強引にくっつけたのかはわかりません。再利用不可と判断し、新たにブナ材を購入し、製作しました。
新しいリムを製作するにあたって、使う木材を支柱にあてながら、作業の進め方、木材をどう使うかなど、話し合って決めました。
まず、自動かんなを使って厚さの調整と平らを出し、すでに接着された低音側のリムとの接続部を加工して合わせました。
現物に合わせて削る部分に印をつけました。
ブナ材は硬く、こまめに刃物を研ぎながら作業を進めました。
ある程度形が出来たところで支柱に接着しました。加工の詳細は、他のリムとの関係や、響棒の位置、更に出来上がった響板の具合を見てから行う予定です。
接着後の写真 上→接着したリム 下→オリジナルのリム
リムは着々と完成に近づいています。
by真帆
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