工房では、HORUGELの修理を進めています。
今回は、レギュレチングレール修理1の続きを書きます。
高音部のレギュレチングレールを再利用できないので、新しく作る事になりました。
材料はブナ材を使います。
ブナの板から必要な大きさより少し大きめにバンドソーで切り、電動カンナにかけて厚さを目指す寸法まで削りました。
木の大きさの加工を終え、オリジナルのレールの穴の位置を新しいレールにコピーし、中心をポンチで取って、穴あけしました。
スクリューを入れて、ボタンを付けてみたところ、穴あけに失敗した事に気が付きました。
スクリューを動かしてみると、穴あけが真っすぐか、少し斜めか、ちょっと見て分かるほどバラツキがありました。
原因として2つ考えられました。
①木材の形を整形したときに、長方形ではなく、平行四辺形のように角度がついてしまい、穴あけ時、万力で押さえると角度が少しついてしまい、穴も少し斜めになった。
②鉄の万力で木材を押さえると傷むと思い、厚めのフェルトを鉄部に付けた為、押さえ方によって木材の固定のされ方が変わってしまった。
それらを踏まえて、まずテストピースをつくることにしました。
木材の加工をある程度機械で行い、最後は刃物で直角定規で確認しながら加工しました。
穴あけの時に下に敷く木の板も、真っすぐで十分厚さのあるものにしました。
レールを固定する万力の鉄の部分もフェルトから木の板に変えました。柔らかいより硬い方がブレないからです。
テストピースが上手くいったので、本番に移ります。
レールにスクリューとボタンを取り付け、スクリューを回して動きを確認しました。全て十分真っすぐに穴あけ出来ました。
これで、レールの製作は完了です。あとは、他のセクションのレールの加工です。
低音、中音部のレールはオリジナルの木材がしっかりしていたので、そのまま厚さを加工して使うことにしました。
レールの問題は解決しましたが、ボタンの木部が3個割れて、1つは穴あけが元々ずれているもので、使うことができません。
この大きさのものが販売されていなかったので、作ることにしました。
(手前の色が白いものが作ったボタンです)
ボタンにクロスを接着して、レギュレチングレールの修理は完了です。
before
after
by真帆
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